自己愛性人格障害(282) やめられないとまらない虚言癖 3

話題としては古いながら、
いまさら佐村河内のネタを書いたのは、
実はこの項を書きたかったからである。

佐村河内は20代前半の頃、ロック歌手としてデビューをする予定だった。
その頃はまだクラシックの素養はもちろん、耳が聞こえない設定の前である。
つまり普通の歌手志望の若者だったのである。

大倉百人という作曲家、プロデューサーがいる。
売り込みにきた佐村河内を見て、「声はいいものがある」と判断、
自分の人脈を使いデビューに向けて色々と手配をし、
レコード会社各社を集めライヴを行ない、実際にオファーもあったという。
しかし、その後、大倉百人は佐村河内から手を引き、
デビューの話もなくなってしまう。

「彼自身の“問題”もあり、(オファーを)詰めることなくやめました」

この彼自身の「問題」こそ虚言癖であった。

*****

「その時点でいろいろな出来事があって、ちょっと怖いなと思った」
「周囲の人をまきこむ嘘をつく」
「これ以上、彼と関わると、こちらが被害を被ると思った」

この大倉百人さんは、穏やかな話し方をする常識的な人という印象を受けた。
「人をバカにするのもいいかげんにしなさい」という部分でも、
声を荒げることなく、穏やかに話している。
こういう人が手を引くのだから、よほど目にあまる言動をしたに違いない。

ひとりの若者をデビューさせるためには、大勢の業界人がかかわる。
それなりに予算も使っていただろう。
それらをすべて損切しても佐村河内から手を引いた。

大倉百人さんの判断は正しい。ベストの選択をしたと言っていい。
これだけ投資したのだからという考えを捨て、速攻で損切りする。
人格障害者に対する対応として最も適切な対応である。

ボクもそうすべきだったし、
今、人格障害者どもと接している人たちもそうすべきである。

人格障害者と偶然にも出会うことは仕方ない。
交通事故と同じで、いくら注意しても向こうから突っ込んでくる。
しかし、いったんおかしいと気付いたら、
対応として最も理想的なのが、手をひく、であろう。

その後、佐村河内と関わった人たちがどうなったか。
誰も幸福になっていないし、経済的な損失を被っているし、
社会的信用も失っている。
大倉百人さんが初めて佐村河内と出会ったのが25年前。
それからずっと虚言癖は変わらなかったのである。

「これ以上、彼と関わると、こちらが被害を被ると思った」

多くの人物を見てきた大倉百人さんは、直観でこう悟った。
そしてその直観は正しかった。

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12 thoughts on “自己愛性人格障害(282) やめられないとまらない虚言癖 3

  1. Nowhere Man より:

    せんちさん、こんにちは、
    嘘、虚言癖は自己愛性人格障害の大きな特徴だと思うのですが、
    本サイトの「自己愛性人格障害の特徴」の項目に、
    嘘や虚言癖の記述が無いのですが、なにか理由があるのでしょうか?
    以前から気になっていました。

  2. せんち より:

    いえ、特に理由はありません。
    このサイトは発展途上であり、
    いろいろ自分でも書いたり、皆さんのコメントを元にして、
    徐々に完成させていきたいと考えています。
    もちろん病的な虚言癖も加えねばなりませんね。

  3. From somewhere より:

    はじめまして。
    流れ流れてこちらへたどり着きました。職場の向かいのパートのおばさんがそうでないかと疑っているものです。私もパートのおばさんですが、、しかし向かいのおばさんは虚言癖の症状はみられない様子です。
    しかし、若干不思議なのは、パートになる前は正社員でほとんど残業したことないって自慢するのですが、、正社員で残業なしってありえるのか疑問を感じる程度ですが、それ以外はかなり特徴が当てはまっています。向かいの席ですが、いつもいないものと自分に言い聞かせ仕事をしていますが、少し気が緩むとつけこまれそうで、気が抜けません。以前もこの種の人にひどい目にあいました。もう騙されたくありません。o(`ω´ )o

  4. とりもち より:

    こんにちは。
    2年前に入社してきた48歳既婚女性が自己愛と思われます。
    今、標的にされた人はメンタルを病んで、仕事にきていません。上司は完全に取り込まれており、まったく聞く耳をもたないのです。
    愛想の良いとびきりの笑顔、上司のいるところでの見事なパフォーマンスで、一躍プロジェクトのリーダーになりましたが、日を追うごとに同僚を罠にかける度合いがひどくなってきました。
    常に自分が一番評価されていないといけないらしく、誰かがほめられようものなら、いち早く伏線を張り、上司に根回しをしてから、じっくりと引き下げにかかります。
    時折見せる冷たい目は爬虫類の様です。
    私は部署が違うので助かっているようなものですが、以前の職場で自己愛の罠にかかって退職させられた同僚を傍観していた経験があり、今でも申し訳なく思います。
    今度は助けてあげたいと思いますが、いかんせん、常人では考えつかないほどの、用意周到な罠を仕掛けるので、情けないですが、気づいた時には遅しです。
    本人は上司さえも掌で転がせると豪語していますが、上司の前では、上司の体を心配して野菜のスムージーを作ってあげる優しい女性ということになっています。
    逃げる以外しか解決方法がないなら、被害者はメンタルを破壊された上、生活手段である仕事も奪われるということになります。
    なんとか方法がないものでしょうか・・・・

  5. せんち より:

    *** From somewhereさん
    コメントありがとうございます。
    まあ、コメントを読む限りでは、あまり害がなさそうな、
    ただの自慢話オバサンみたいなので、
    テキトウに流していればいいんじゃないでしょうか。
    へ~すごいですね~尊敬しちゃいますわ~とか、
    わざと大袈裟に褒めて気持ちよくさせて、
    反応を楽しみたいくらいです。
    普通、謙遜するところを「いやぁエヘヘ」と、
    否定しないところが人格障害者どもですよ!
    *** とりもちさん
    コメントありがとうございます。
    なんとも難しいシチュエーションです。
    上司に理解してもらえるかどうか・・・
    かつての「取り込まれていた上司」のボクとしては(笑)、
    社員はすべて平等に大切なので、
    真面目に訴えれば、必ず聞く耳を持ってくれると思います。
    ただ、それでもダメなら・・・
    ごめんなさい、やはり離れる、としか言いようがないです。
    メンタルを破壊され仕事を奪われる、確かに納得いきませんが、
    かといって、これ以上関わると、さらに破壊具合が広がる気がします。
    人格障害の被害は、遭遇した者でないと、説明しづらいです。
    だからボクもこうして長々とブログで書いています。
    しかしこれでもまだ説明しきっていないし、
    これだけの分量を説明する気力もありません。
    だから一番良いのは、離れる。
    問答無用。切る。
    もう、とりもちさんか48歳既婚女性の、
    いずれかが退職するしかないでしょう。
    48歳既婚女性が辞めてくれればいいですが、
    でなければ、決断すべきかもしれません。
    いずれにせよ、上司に話してみてください。
    真剣に、真面目に、本当に。
    せっかく自己愛性人格障害に気付かれているのですから、
    それも含めて、話してみてください。
    それでわかってもらえないようでしたら、
    そういう上司も含めて離れることにボクだったら躊躇しません。

  6. とりもち より:

    返信をいただけて嬉しく思います。ありがとうございます。
    状況を考えると自己愛の一人勝ちという感がしますが、
    刃物を持った狂人と考えれば、命が先ですね。
    倫理も正義もない。逃げなければいけないと理解しても
    今はただただ無力感でいっぱいです。
    悪魔の所業としか言い表せません。
    経験から「いった」「いわない」の争いは何の益もないこととわかっていますが、息を吐くように嘘を重ねてくる相手を心底憎く思う自分にも疲れてきます。
    大きなイベントを抱えていますので、その後でアドバイスのように、心を尽くして上司にお話をしたいと思います。
    多分、自己愛はその前に気配を察して事前に動くこと目に見えていますが、上司が自己愛を信用するなら、きっと私の普段が信用に値しないのだろうとあきらめるしかありません。
    しかしながら、このブログに書き込めたことで、私自身の閉塞感は薄れてきました。
    経験しなければわからない自己愛独特のやり方をわかっている人がいると思うだけで、心強く思います。
    せんちさんもご存じのように、簡単には見破れないほどの計算高さなので、経験のない人にとってはこちら側に問題があるようにしか見えないのです。
    ご迷惑かもしれませんが、上司との話し合いの結果をご報告できたらと思います。

  7. yome より:

    はじめまして、姑がこの障害です。いろんなサイトを見てこの障害を知り、考えを整理して自分を保つことができました。時間を割いて記事を書いてくださる皆様に感謝しています。
    嘘をつくのは麻薬のような快感があるのではないか、まさにそう思いますし、頭の良さにもびっくりします。姑の詐称に近い嘘は〇〇学校〇〇会社と固有名詞を出さず「あたかも〇〇のように」話し、聞き手が勝手に思い込んだと逃げ道を作る嘘です。
    もう一つは撹乱の嘘、相手が自分を把握し支配しない為にどうでも良い小さな事でも嘘をつきます。これはいつも自分が人を観察し小さな事でも情報を得て先まわりして優位に立とうとするため、逆に相手には情報を与えないのです。
    ご近所にも障害と思われる人がいます、嫌な思いもしましたがパターンが一緒なので仕掛けられそうな時は事前にわかります。ひとつ言えるのは嫌っていながら笑顔で何か分からないふりをして質問したり、唐突に何かを聞いてくる時は罠を仕掛けようとしている時。または次に来る質問が本当に聞きたい事だと学習しました。
    姑は高齢と思えぬ頭の回転の良さで、記憶力が良くうっかり喋って嘘がバレるということがありません。この障害は認知症など脳が老いるということはあるのか?もっとこの障害の弊害を認めて研究を進めてほしいなと思います。

  8. せんち より:

    *** yomeさん
    コメントありがとうございます。
    >聞き手が勝手に思い込んだと逃げ道を作る嘘です。
    明らかに曲解をして欲しいくせに、まさに人格障害者の手口。
    唖然としますよ。
    人格障害者ウッキーが「自分の貯金を自分の生活費に使った」という、まったく会社と関係のないことを、「自分の生活費に」の部分を省いて、「自分の貯金を(会社に)使った」という意味に「とってもらいたくて」、大声で主張する。
    周囲に自分も会社に出資してるんだから私は特別よ!と言いたいのだろう。
    バカバカバカ。死ね死ね死ね。

  9. yome より:

    お忙しい中お返事ありがとうございます、本当に会話していると頭が痛くなりますね、特に仕事上であれば怒るだけではすまないのでご苦労されたことと思います。インフルエンザも流行ってますのでお体を大事にしてください。

  10. ナリ より:

    今、ちょうど縁を切ることを考えて、静かに準備を始めています。このサイトをみて、やはり逃げる、縁を切るしかないと決心しました。
    転職をし、代わりに働かされて、数百万借金の肩代わりをし、私の車も今彼が乗っています。それでも、事業を広げたいので、まだ私の名前で融資を受けると言ってきました。あの手この手で、うまいことを言ってきます。結局全部ウソです。
    もう限界です。あからさまに反発すると、いつも逆切れするので、密かに静かに、縁をきりたい、今切実にそう思ってます。あんなに好きだったんですが……

  11. せんち より:

    *** ナリさん
    縁を切るしかないですね。
    変に話し合ってあーだこーだ言い訳されるより、
    正体がわかった今、「その時」に黙ってすっぱり切る。これしかないです。
    人格障害者どもは見捨てられ不安が強いので最初は懐柔してきますが、
    その後、怒りに転嫁します。
    すべて相手にしないでください。
    ナリさんは正しい。相手が何を言ってこようと、正しいという信念で行動してください。
     

  12. ナリ より:

    ありがとうございます。
    「正しい」その言葉に、涙がでそうになりました。ご助言どおり、相手にせず、信念で行動します。引っ越しもするのですが、絶対新しい住所を教えないようにします。
    実は、私の父がアルコール依存症だったため、自分を犠牲にして人に尽くす傾向を、医師にアダルトチルドレンと診断されました。
    なので、好きになる男性は、共依存のできるこのタイプの男性ばかりでした。でも、そのタイプが自己愛性人格障害なのだということが、初めてわかりました。
    これから人生やり直せるかなあ……前に進みます。本当にありがとうございました。

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