自己愛性人格障害(336) PC遠隔操作事件「嘘も平気でつける」

少し前の事件ながら、世の中の移り変わりの速さに既に記憶の中では古い話題となってしまった「PC遠隔操作事件」。リアルタイムでこのブログでも少し触れたが、今回改めて書いてみたいと思う。というのも、数か月前にこの事件をレポートしたノンフィクションが出版され、しかも当時の記者会見が現在でも数多くyoutubeで視聴する事が可能で、文字でも映像でも後追いであれ全貌を容易に知る事が出来るからである。ワシもここ数日、この事件関連の記事や映像を見まくっている。まず事件の概要を簡単に述べる。

2012年頃から連続してインターネット上で殺害予告や爆破予告が相次いだ。その脅迫の書き込みをした人物がIPアドレスから特定され、それぞれ逮捕されている。しかしこれらは全て誤認逮捕であり、真犯人たる同一人物がパソコンにウイルスを仕込み、実は遠隔操作で行なっていたものであった。その真犯人ではないかとして逮捕されたのが片山祐輔という人物である。しかし状況証拠のみで決定的に真犯人だという証拠がない。片山祐輔本人は「自分はやっていない」と言う。そして弁護士はそれを信じて無罪を主張する。冤罪を信じて「救う会」が結成され、左翼的な団体やジャーナリストも擁護論を展開していた。世間の耳目が集まっている中、片山祐輔は冤罪のヒーローとなりつつあった。そして保釈を勝ち取ったまでは良かったが。。。決定的な証拠が出て、やはり真犯人は片山祐輔であった。弁護士、支援者、全てに嘘をつき、全てを騙していたのである。片山祐輔は自分が犯人だったと明かした時にこう述べている。「私はサイコパス。嘘も平気でつける。」

この事件は世間の注目を集めていただけに、弁護士が公判の度に記者会見を開いて進捗状況を述べている。そして保釈されてからは片山祐輔本人が同席しての記者会見となっている。保釈後は記者会見のみならず様々な番組に本人が出演して冤罪を訴えている。後追いで彼が犯人であると知っている今、改めてこれらの映像を見直すと非常に怖い。なにせ人が嘘を平気でついている場面を見る事が出来るのである。すっかり無罪を信じ込んでいる弁護士は保釈が決まって笑顔がこぼれている。しかし中央に座り真面目そうな顔で、朴訥と無罪を訴えているこの青年こそ、実は真犯人その人であり、延々と嘘を述べているのがこの映像なのである。

実は、ワシは最近、やはり病的な虚言癖の人物と接した。元々虚言癖なり人格障害だろうなという事は本人の書いている文章から察してはいたのだが、いざ実際に対面してみると直観通りの人物であった。この片山祐輔と同じように、平気で嘘をつく。それが嘘だとわかっているワシにも真面目に嘘をつく。本人には嘘の自覚がない。かなり怖い思いをした。物理的な暴力的な怖さではない。また普通の人ならば、それこそ「勘違いしてるのかな」くらいしか思わなかったかもしれない。しかし扉が開いた人には、まるで霊感が強くて他の人には見えない霊が見えるかのように、ワシは心理的な恐怖をその人物に感じたのである。この恐怖感というのは、嘘が平気でつける人物が世の中にいるという事実、そして、そのような人物が普通に一般に混じって社会生活を営んでいるという事実、今後もかかわるとどのような被害に遭うかわからないぞといった、これらがグチャグチャに入り交じった感情で、わかっていた事ではあるが、恐怖であった。うわ、本当にこんな人物がいるんだと、早くその場を離れたかった一心であった。

上記の映像でわかる通り、片山祐輔は両隣の弁護士に嘘をつき、目の前の記者に嘘をつき、記者の向こうにいる社会に嘘をついており、懸命に容疑を否定する言葉と表情に何ら後ろめたさも感じられない。一生懸命に罪から逃れようと真顔で自分も被害者であるかを装い嘘をついているのである。このような人物が周囲にいたらどうすれば良いのだろう。実際に最近もワシの周囲に登場したのだ。片山祐輔、このオタクっぽい、おとなしい、丸顔の青年。ワシはこの青年が怖くて仕方がない。背筋が凍るくらい恐怖を感じる。ガチでケンカしたら負けるわけないだろうが、そうではない、不気味な恐怖を感じずにはいられないのである。マンガ「寄生獣」に浦上という男が登場する。この人物は快楽殺人で逮捕されており、それ故に人の中にある「獣性」を感知する特殊能力がある。彼が言う。「おまえら、あれが人間に見えるのか?」

片山祐輔には、冤罪が疑われると擦り寄ってくるような人権派や反権力の人たちが周囲にたかっていた。江川紹子もその内のひとりである。江川紹子は片山祐輔の側に立ち、ブログなどで彼を擁護していた人である。対談においては片山祐輔も「ありがとうございます」と殊勝に江川紹子に頭を下げ感謝していた。ところがである。片山祐輔は自分が書いたとバレない前提の他人を装ったメールにおいて「江川紹子の閉経マンkにVXガス注射してポアする」と書いているのである。必死で冤罪だと擁護し、対談の場まで設けて一緒に世論に訴えてくれていたのに、殊勝な態度の裏でこのような事を書いているという事実。上記の映像の青年がこのような下劣な事を書いているのである。怖い。

世の中には、真顔で、かつ平気に、嘘をペラペラつくことが出来る人物がいる。サイコパスは嘘をつき、それを嘘とも認識している。しかし嘘をついて何が悪いのかと善悪の基準が決定的に異なるそうである。相手を貶めるため、或いは保身を図るためなら、嘘をつくことは当然と思っている。ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフが「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という思考の下で自分の罪を正当化するのと同じ思考である。

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