自己愛性人格障害(333) 汚染された記憶

清原が覚醒剤で逮捕されたのが、野球ファンとしては残念でならない。ワシの世代にとっては清原はまさにかつてのONのようなスター選手の代表格であったし、PL時代からずっとテレビで見ていた。生涯成績を見ても、清原より上の選手は王や野村、張本といった歴史上の人物しか見当たらない。神に祝福されていた清原がどうしてこのような事態になったのだ。嘘だと言ってよ清原!と叫んだかつての少年たちは多い事だろう。もちろんワシは覚醒剤など見た事も触った事もないが、テレビなどで医師や経験者がその怖さを語っているのを見ている。いわく「脳が破壊される。一度破壊された脳は元には戻らず、一生薬物への欲求と戦わねばならない」とのこと。そうか、一度やると、二度とやっていなかった「キレイな状態」に戻る事は出来ないのか。怖いな。

ワシは「水と油 - モラハラ被害 現在進行形 –」を今でも読み返す事がある。それに伴い、いろんな人のモラハラ被害のブログなどを検索して読んでいる。ついワシの嫁さんに当てはめて想像すると、もう頭が痛くなるくらいツラい気持ちになる。ワシの嫁さんがモラハラ被害に遭って「にぃ~」と泣いている所を想像すると、もう居ても立ってもいられなくなる。小さな子供が巻き込まれる事件事故に、同じ年代の子供を持つ親は、他人事ながら悲しく思う、それと同じ気持ちだと思ってもらいたい。

人格障害者どもの被害に遭うと、まるで脳が侵された感覚になる。今まで遭遇したことのない不条理さ、話が通じない怖さ、唖然として言葉も出ないような言い訳、今まで培ってきた常識がことごとく壊される。そしてそれは時間が経過して薄らぐ場合もあるだろうが、そうでない後遺症的なものも大きな被害のひとつであると思っている。何故、ワシがこんなブログを書いているのか、ふと考える事がある。もちろん人格障害そのものに対する興味もあるだろうが、やはり今でもウッキーの事が許せない気持ちがあるのではないか。それは即ち、いまだ囚われている事に他ならない。これはワシが素直に認めなければいけない部分だろう。もう随分時間が経つのに、いまだに、こうしてブログにネタとして書く意欲があるという事実。散々「魔女」に食い物にされた島倉千代子が記者会見で述べている。「今でも法律が許すなら、刺してやりたい」と。ワシも同じ気持ちである。

人生は誰問わず平等に一度きりである。一度きりの人生で起きた事は、全て自分の人生の履歴として記憶の中に記録される。もちろん忘れてしまう事もあれば、忘れ得ぬ事もあるだろうが、こと人格障害者に侵された心は深く記憶に留まり、あたかも覚醒剤の毒に侵された脳のように、一生その記憶と戦わねばならないのではないか。何より、このブログを書いているワシ自身がそうなのではないか、そう考えると怖くなる。ワシは一生、この記憶と共存していかねばならないのかと。過去を変えられない以上、もう二度と人格障害と出会う前の「キレイな状態」に戻る事はないのだろうかと。人格障害の被害に遭った人の多くは気付いた時点で縁を切ったりしているだろうが、それでも尚、記憶と戦っているのではないだろうか。

記憶と戦っている。。。そうなのだ。

水と油 - モラハラ被害 現在進行形 –」を初めて読んだ時、最初からずっと辿って読んでいってたら、家を出るところで更新が止まった。そして妹さんが登場して「自ら命を絶ちました」と報告があり、まるで力石徹が死んだ時のような衝撃的な展開に驚かされた。まさかこんな結末が待っていたとは後味が悪過ぎる。救いがない。筆者のshizukuさんの遺稿の記述は「いったん本気でモラ夫に刃を向けてしまったら、その先の道のりが、今まで以上に険しくなってしまうであろうことを、頭では理解していたが、現実はもっともっと厳しかった。」で終わっている。何があったのか非常に気になって仕方がない。モラハラ夫と別れ、別居して、さてこれから新たに人生を始めるぞというところで、shizukuさんは自殺してしまう。離れてホッとしたのではないのか、これから新たに人生を始めるのではないのか、モラハラ夫とリアルタイムで接している時は頑張っていたのに、離れてから自殺だなんて何故だという思いがあった。しかし、今は、多分、理由はこれだろうなというのがわかる。

恐らく、shizukuさんは、モラハラ夫の被害が根深く自分の脳の中を浸食しているのに気付いたのだろう。離れてみて初めて、この被害は離れてからも続くという事に気付いたのだろう。モラハラ夫から離れて家を出れば、そこから新しい人生が待っていると希望を持っていたのだが、実はその後も深く刻まれたモラハラの日々の記憶が消えずに、永遠に人生に影を落とし続ける、その事実に愕然としたのではないか。一生、あのモラハラの記憶と共存しながら生きていくことに耐えられなかったのだと思うのである。過去は消せないし、記憶は永遠に残り、二度とモラハラ夫に汚染される前の「キレイな状態」に戻る事は出来ない。モラハラ夫から離れた事で初めて、その事実に気付かされ、絶望したのではないだろうかと思うのである。

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14 thoughts on “自己愛性人格障害(333) 汚染された記憶

  1. mon より:

    姉に300万円貸したものです。せんちさんが言うとおり、弁護士に相談しようと思います。経過は今後も報告したいと思います。ところで、建築系の下請け商売をしていますが、元受けの忘年会や新年会に行くと自己愛野郎がうようよいますね。何だか年に1回2回しかその元受けの仕事をしないような職人や、2万3万の仲間の手間代を払い渋るような乞食職人がここぞとばかりに自己アピールをしていて反吐がでそうになるので、私は近年ほとんどバックレています。せんちさんは主催する側でしょうが、介護関係の忘年会はどうですか?

  2. せんち より:

    *** monさん
    ワシもサラリーマン時代は会社の飲み会嫌だったなー
    介護関係のオバハンたちは、そうでもなかったです。
    テレビ局関係はクソでした。

  3. より:

    モラハラ 自己愛 洗脳 あらゆる毒にがんじがらめにされて
    全身が憎悪の塊になっている気がします。
    楽しみだった盆休みも、自己愛への憎悪で心が占領されて
    最悪でした。
    実は私はカトリックです。
    しかし3年前に母が亡くなるまでは、自分が洗礼を受けていることすら知りませんでした。
    なので教会にも行ってなかったし、
    ある意味、偽善的で自分らは特別、と思っているような
    うちの親戚の信者どもが大嫌いでした。
    母が亡くなってから、母へ祈りをささげるために
    教会に行くようになりました。
    そこで気付いたのが、カトリックの教え自体は
    大変まっとうで偽善的なものではないこと。
    敵を愛し、自分を憎む者のために祈れ。なんて
    できっこないじゃないか、バカじゃねーの?と
    思うけれども
    そこを苦しみもがき血反吐を吐いて
    相手をゆるせば、自分が憎悪という魔物から
    解放されるんじゃないか?
    理屈では判るんだが
    実践できないです。
    でも、良いことだとは思います。
    自分を殺すか、相手を殺すか。
    そんなことより、自分は、自分を縛る憎悪から
    解放されたいとおもいます。

  4. ちーさん より:

    332でコメントしました、ちーさんです。
    せんちさん、お名前を間違えてしまいましてすみませんでした。
    shizukuさんの夫はどこかで生きているのですよね。
    そして…息子さんはどうしているのかな。
    子どもを持つ母親としては、本当に心配です。
    なんにもできないのですが…。
    苦しいです。

  5. TAKA より:

    随分前のことですが、「自己愛性人格障害(029) これしか表現ができない」と「自己愛性人格障害(016) その場にいない人の悪口」にコメントを投稿させて頂きました TAKA と申します。
    ようやく全部終わりストレス源から離れることが出来ましたが、それでもな、お脳のリソースを奪われたままで、まさに「記憶と戦っている」という状態です。一刻もはやく忘れたい気持ちもありますが、記憶が定かなうちにその体験を残しておきたいなあとも思い少しずつ綴っています。いつか公開できる形にして、被害に苦しむ人の参考にしてもらえたら良いなあと思っています。

  6. ことりん より:

    初めまして、初めて書き込みします。
    1年以上、自己愛の人知れぬ攻撃にさらされ、数か月前にある場所を追われました。証拠はありません。けれど、そこの責任者の対応が徐々におかしくなり、結果的に追われることになりました。自己愛がその人に私のあることないことを言っていたらしく、身に憶えのないことや、事実を曲げられてしまっていたり、自己愛を信頼しきっていて、どうにもなりませんでした。言い訳も否定もひとつもできませんでした。責任者への連絡手段もブロックされてしまっていたのです。すでに体はぼろぼろになり、慢性的な病気になってしまっており、実際には続けられなかったのですが、その変わっていく責任者の私への対応に、あの独特のにやりとした笑いを向ける自己愛に、心もボロボロにされ、周りの人の信頼や、そこで誠実にやってきたことも全部奪われ、頭がその悲しみや苦しみや、自己愛への悔しさで支配されてしまっています
    カウンセラーの助けを借りていますが、苦しさから逃れることができません。怖くて知り合いにも連絡がとれません。首を徐々に絞められていくのに抵抗できないような恐ろしさが蘇ってくるのです。理由を探しているうちにここを捜し当てました。このような場所があってよかったです。

  7. せんち より:

    *** ことりんさん
    言葉もない。
    どうして、そこまでなる前に手を打てなかったかと思います。
    ワシもそうですが、時が解決してくれる。。。長い時であっても。

  8. ボーダー被害者 より:

    自己愛は周りを用意周到に抱き込んで仕掛けてきます
    奴に太刀打ちしようと思うなら自分も同じように自己愛もどきにならないと対決できない
    腹を括らないと太刀打ちはできない..

  9. ことりん より:

    せんちさん
    お返事ありがとうございました
    自分でもそう思います
    最初に気付いたのは、服装、仕草、しゃべり方の癖などを真似されているということでした
    それまでは漠然としていた圧迫感が、そこで具体的な圧迫感となり、思い返せば、それが1年余り続いていたと自覚するに至りました
    その先はまるで坂を転げ落ちるかのようにみるみる状況が悪化して、追われるようにそこを去ることになりました
    最後は一刻も早く追い出そうとするような総攻撃で、反論も一切できなかった
    もっと早くに気付けばまだましだったのかはもはやわかりません
    数年にわたり築いてきた責任者との信頼関係も数か月もないうちに崩れて、自己愛がまわりをどう巻き込んだかはわかりませんが、あっという間に状況は変わっていきました
    私が自己愛の悪口を言っていると(内容はわかりませんが)責任者は思っているようでした
    もちろん事実無根です
    そうですね、時間しかないのでしょうね
    忘れるには…時間が必要です
    無かったことにはなかなかできませんから

  10. ことりん より:

    先日の追記です
    一刻も早くと追い出されたのは、私が人格障害者であるかのよぅに自己愛に触れ回られたからです
    私の病気のことも、虚言だということになっていたようですし
    私は周りに害をなす人物にされてしまいました
    正すこともできず、言い訳もできず、ただ追われるのみ
    なぜ、こんな風に苦しんで生きなければならないのか
    悔しさと悲しさと無力感で一杯です
    カウンセラーには「事故にあったか、怪我をしたと思いなさい」といわれたけれど、なかなかそう簡単にはいきませんね。

  11. せんち より:

    *** ことりんさん
    そうですか、カウンセラーには「事故か怪我」、
    つまり自分に非がないアクシデントだとおっしゃっているのですね。
    まさにその通りなんですが。。。
    昨日、爆報フライデーを見てたら、
    交通ルール違反を注意した俳優が、
    逆ギレした相手に暴行を受け顔に怪我をした話を放送していました。
    俳優に何の非もない。むしろ正義感で注意した。
    それが商売道具の顔に傷つけられた。
    あまりの不条理に恐ろしくなりました。
    ほんの数秒時間がずれていれば何もなかったのに。
    事故とはそういうものかと。

  12. ことりん より:

    辛さが増してきます
    記憶が襲ってくる、まさにその状態です
    ひとつの記憶があります
    自己愛がちょっとした怪我をしました
    私はそれにからんではいませんでしたが、そばにいました
    その後、彼女は責任者に訴え、責任者が彼女に付き添い薬を買いに行きました。責任者はまるで私から彼女をかばうように行動し、私と一切目をあわせませんでした
    その時の彼女は、まるで責任者に媚びるような様子でした
    次に会うときにも、同じように責任者は私から彼女をかばうように行動するのです
    想像でしかありませんが、自己愛は私が意図的に怪我をさせたようにでも言ったのではないかと思うのです
    証拠もない、誰にもわからない、
    私は当時すでに体調を悪くしており、まわりの人からもいろいろ声をかけてもらっていました
    何が気に入らなかったのかわかりませんでしたが、その後責任者の対応はますます変わっていきました
    今も、夢に出てきます、不意に記憶がよみがえって苦しくて泣いて泣いて、まだ、涙が枯れません
    一生、こんな記憶を背負っていかなければならないのでしょうか
    悲しみや苦しみが少しでも楽になる日はくるのでしょうか

  13. せんち より:

    *** ことりんさん
    記憶が都合良く選別出来れば良いのですが、
    残念ながらツライ記憶はその他の記憶と同様に脳裏に残ります。
    月並みですが、時間が経つのを待つしかない。
    その後の記憶を上書きしていくしかない。
    ワシは高校生の頃、社会人になってから、2度大きなツライ事がありました。
    その時は本当につらく、寝ても覚めても記憶に囚われていました。
    しかし、今となっては思い出すことすらありません。
    その経験から、何か嫌な事があっても、
    常にそうなればいいなあと思っています。
    世界から核兵器廃絶は無理でしょう。
    核兵器廃絶の日が来るとするならば、
    それは核兵器より強力な兵器が発明されたときでしょう。
    新たな苦しみが生じれば、その前の苦しみは忘れてしまいます。
    しかしそれでは解決にならない。
    時間が経過するのを待つしかない。
    そして幸福と思える自分になれる、なれるよう前を向く。
    それが忘却までの時間を短縮する秘訣。
    事故にあった前には戻れないので、
    月並みですが、それしかないのかなと思います。
    ファイト。

  14. 逃亡成功者 より:

    せんちさん、こんばんは。再びお邪魔します。
    わたくしごとですが、職場逃亡して数週間、1日10分、20分・・・と少しずつ自己愛上司を忘れる間隔が増えてきて、
    「あ、このまま行けば・・・」
    と思ったところで、風邪のゴロ寝中、強烈なフラッシュバックに襲われました。前進したつもりが後退してる感じがします・・・
    そして、またお邪魔しております笑。(勉強のため)
    後から後から「上司のあの謎行動はコレだったのか・・・!」という気付きが出てくるので、またその周辺の記憶を辿ってしまいますね。
    辿らなきゃいいんでしょうけどね。。私もせんちさんの仰るとおり、囚われてるなぁと感じます。
    なんだか分析しきらないと気が済まない感じです。ふだん、執着やコダワリが少ないほうなんですが、こんなに囚われてる自分がイヤです。
    早く元のフリーダムな精神に戻りたいんですが、毒されてジワジワむしばまれてる感じがします。
    洗脳ってこんなに長引くんですね。カルトや麻薬もこんなに苦しいのかと思ったら、他人事じゃなくなってきます。
    洗脳なんて遠い世界のこと、一生無縁の世界、と思って生きてきたら大間違いでした><

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