自己愛性人格障害(294) 人格障害の知識は必須

相模原で痛ましい事件が起きた。
朝、目覚めたら嫁さんが「すごい事件が起きたみたい」と言う。
テレビをつけたら19人が殺害されたというではないか。
たった一人で19人を殺害? こんな数、今まで聞いたことがない。
複数人が地下鉄でサリンをバラ撒いて13人だから、
いかにこの人数が異常かというのがわかる。
希代の犯罪者と言われている宅間守でも8人である。
このせいで、終日、いや~な気分だった。

ボクはどうも心が弱い部分があるのを認める。
こういう事件報道を見ると、自分とは知り合いでもないのに、
ショックを受けて落ち込んでしまう。
外に出るのが怖くなる。

*****

以前、紹介したこのブログ。
水と油 - モラハラ被害 現在進行形 –
先日、ふと読み返してみて、改めて涙してしまった。
夫からモラハラを受け、家を出るまでの話である。
家を出たところでブログは終わっている。
結局、このブログの女性は自殺を選んだのである。
直接手をくだしていないだけで、殺人とどう違うと言うのだ。

人格障害の恐ろしさが手にとるようにわかって、
死ぬ前に直接なり間接なりお話ししたかった。

配偶者が人格障害だと簡単に別れられない。
別居なり離婚は特別の覚悟が必要である。
ましてや相手が人格障害だと別れるのも大変である。
別れるのがあまりに大変で、それならいっそ別れない方が楽、
現状で我慢しようと思わせるのが人格障害者どもの手口である。

何か大きい出来事があれば、それを理由に決心がつく。
しかし人格障害の被害は、一度にバ~ンとではなく、
少しづつ私たちの心を蝕んでいくのが特徴である。
些細な事が積み重なり、澱のように私たちの心に沈殿していく。
自分が対峙している相手が人格障害だと、どの時点で気付くかはそれぞれだろうが、
このように少しづつなので、そのタイミングが見えづらい。

イチローは単打ばかりだという批判があるが、
その単打も年間積み重なれば200本になる。
小さなモラハラが、積み重なって気付いた頃には甚大な被害になる。

このブログの女性も10年に渡って夫に違和を感じ、
モラハラだと気付いてから、やっと家を出ている。
もっと早く離れていれば自殺に至ることもなかったろうに。

人格障害と気付いたら一刻も早く離れる。
これは鉄則である。
その為には、人格障害だと気付く必要がある。
だから人格障害の知識は必須なのである。

違う世界の話だと思ってはいけない。
ボクも人格障害者ウッキーに出会うまでは、そう思っていた。
しかし、人格障害は普通の人の仮面を被って普通に存在している。
ボクだって、こんなブログを書くことになろうとは想像だにしなかった。

今回の相模原の事件の犯人を知る近所の人たち、同級生、友人などは、
「感じの良い人だった」「ちゃんと挨拶もする礼儀正しい人だった」
などとテレビカメラの前で証言している。

ふん。だから何だって言うのだ。
人格障害者どもは外面がいいのは、もうご存知だろう。
このブログの女性もこのように書いている。

恐ろしく外面が良くて、両親は夫を心の底から良い人と信じています。

恐ろしく外面が良い。怪しいくらいに良い。
これも人格障害の特徴である。
そして実際に怪しい。

人格障害と気付いたら一刻も早く離れる。
これは鉄則である。
その為には、人格障害だと気付く必要がある。
だから人格障害の知識は必須なのである。

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10 thoughts on “自己愛性人格障害(294) 人格障害の知識は必須

  1. るる より:

    せんちさん
    初めまして。初めてコメントさせて頂きます。
    この事件…、本当にびっくりしました。
    そして、ああやっぱり人格障害者じゃないか(顔写真を見て更に確証を得ました)と思いました。
    私も、会社と家族に自己愛がいます。
    会社の方は上司ですが、本当にもう、死ねばいいのに。
    関わるとろくな事が起きません。
    幸い課が違うので、そこまでの被害は私自身にはないのですが、被害を目の当たりにする事が日常茶飯事です。
    家族…夫が自己愛で、今回の事件の事を帰宅してから聞くと(仕事中テレビなど見れないので)
    「お前は本当に人の不幸が好きだねぇ、やだやだ」
    いやいやいや、そういう訳じゃないんですけどって言ってもなんだかんだで お前はそういう奴だ になるので無言。無視。
    以前、せんちさんが、何故、結婚する前に気付かないんだろう?と言われていましたが、私の場合は
    ・同棲が長い(13年)
    ・その間「お前みたいな奴なんて誰も相手にしない」と言われ続けた
    ・実際、「そうだよね、私みたいな女、この人しか相手にしてくれない」と信じてしまった
    ・もちろん、最初は優しかったので、様子がおかしくなっても「考えすぎだよね」と自分の気持ちを自分で騙していた
    こんな感じでしょうか。
    妊娠中つわりが酷く仕事を辞めて、出産し今の仕事に就くまで大体2年ほど、夫の扶養になっていました。
    この間
    「なんで貯金しなかったの。俺が不安定な仕事だって分かっていたのに」(自営業です)
    「俺の知り合いは主夫してて、奥さんが正社員だ。お前もそうなれんのか!!」
    「お前が仕事を辞めて働きに出るまでに俺は200万円出した。(返せ、というのか と言うと)そうはいってない!!」
    子供の件でも悪いのは私。
    ある日、生後7ヶ月の息子をおんぶして家事をしていた時に、いちゃもんをつけられ、悲しくて悲しくて私は洗濯機に突っ伏して大泣きしました。子供も大泣きしていました。
    その時に言われたのが
    「お前は子供の事を考えていない。子供が泣いているのにほっといて自分が泣くなんて自分勝手な親だ。」
    泣く事さえ拒否される、事ある毎に「母親失格だ」と言われ、私は子供が2・3ヶ月のときに本気で
    「私は母親失格だ。こんな親ならこの子にとって居ない方がいい。今ならわたしが居なくなってもこの子の記憶に残らない。夫の思う 良い母親 と夫が一緒になってこの子を育ててもらった方がいいのかもしれない」
    と思ってました。
    …精神はボロボロでした。今の仕事に就いていなければ夫の顔を金属バットでボコボコにしていたでしょう。今頃留置所だったかと思います。
    今は、やっぱりこいつ異常なんだ、言う事がその都度本気で言ってる可哀想な奴。と、完璧に割り切るまではいきませんが、冷めた感じで取り扱っています。
    利用できる所もあるので、今は夫の異常さを受け流しながら利用しています。
    子供には今の所は害は無いので、即離婚、とは考えていません。
    色々と用意はしておりますが…
    本当に、取り扱い説明書が欲しいです。

  2. 霧が晴れた より:

    初めましてコメントします。
    過去記事も遡って拝見させて頂きました。
    きっかけは、義母の躁鬱の症状について検索していたことです。
    ヤフー質問箱に似た症状への回答に自己愛性人格障害のことが書かれていたので、
    義母のいくつかの症状と自己愛性人格障害 というワードで数回検索する度に、こちらのブログがHITするのです(笑)
    そして、今までのモヤモヤがサァーッと無くなり、よく分かるのです。
    まさに、霧が晴れた。
    全ての言動や行動、性格だと思っていたこと全てが「自己愛性人格障害」で説明出来てしまうこと。
    他の人に訴えても、理解して貰えない、この違和感。
    ブログを読みながら、理解者を得た感覚です。

  3. せんち より:

    *** るるさん
    コメントありがとうございます。
    おそらく気付いていらっしゃるかと思いますが、
    ■長い同棲期間で「お前みたいな奴なんて誰も相手にしない」と言われ続けた
    ■実際「そうだよね、私みたいな女、この人しか相手にしてくれない」と信じてしまった、
    ■最初は優しかったので、様子がおかしくなっても「考えすぎだよね」と自分の気持ちを自分で騙していた
    この豪華三点セットは人格障害者どもの常套手段ですよね。
    そして13年も同棲していたら、
    他の相手とまた最初から始めるくらいなら・・・とか思ったり。
    13年同棲していると、自分も年齢を重ねるので、
    今さら他の人は相手にしてくれないのでは・・・とか思ったり。
    そして何より、13年間が間違いだったことになる・・・とか考えたり。
    自分は騙されていない、騙されるはずがない、
    そういう気持ちすら利用されてしまいます。
    るるさんは幸いにも「窓が開いた人」なので、
    それとわかって夫と接することができます。
    事件を起こさないで離婚してくださいよ(笑)
    *** 霧が晴れたさん
    コメントありがとうございます。
    ボク自身も最初はびっくりしました。
    全てのおかしな言動が「自己愛性人格障害」で全てきれ~に説明できることに。
    パソコンの前で「これだ!」と声が出ましたもん(笑)

  4. 平成土偶 より:

    るるさんへ
    私は心配です。
    私が10歳の時、父は再婚しました。
    離婚後、必死で私たち子どもの面倒を見てくれた父は新しい母がきたとたん手を引くことで新母と子供たちの距離を近づけようと考えたようですが…
    仕事から帰った父の耳に継母の子供へのダメ出しがー
    父は酒を飲んだ勢いで子供を怒る日々でした。
    父は自分が育てていた時期見ていたはずの子供の姿を忘れ、継母の言う子供の姿を信じたのです。
    そうこうするうちに弟はたびたび家出を繰り返すようになり
    最終的には別れた母の親族に引き取らせたようです。
    で、私は…
    高校を卒業するまでそんな家で耐えました。
    父とは直接はなせません。
    必ず継母を通さねばなりません。
    途中で話が変わるのです。
    継母の都合の良いように…
    私は力をつけそんな家から飛び出しました。
    仕事し、結婚し、子供ができー
    子供も大きくなった頃、突然継母が玄関先に現れたのです。
    今までお祝い事も何もしてくれなかったくせに、
    自分の不満な現状を訴えにきたのです。
    私は家に継母をいれられなかったーあることない事父に話していたように、継母の人間性を知らない子供が全て素直に聞いてしまった時の混乱ぶりを想像してしまったのでー
    継母が人格障害かはわかりません。
    でも、そういう人の考えそうな事はわかります。
    自分の思うようにはならないつれあいより、
    味方として子供たちを取り込もうとするかもしれません。
    るるさんの居ない間に充分できることです。
    私の元の家庭は結果、バラバラになりました。
    だからこそ今自分が作り上げた家庭だけはそういう要素を排除したいのです。
    心配のあまり余計な事を書き込んでしまったかもしれません。
    失礼の段、御容赦ください。

    1. るる より:

      平成土偶さん
      心配して下さってありがとうございます。
      そんなに辛い状況だったんですね。
      そして継母は…ごめんなさい、やっぱり自己愛寄りの人なんじゃないかなぁ、と思ってしまいました。
      確かに、思い通りにならないつれあいより、自分と長く居る子供の方が懐柔しやすいですよね…
      私もそれは不安に思っています。
      私は旦那がどういう人間か分かりますが、子供にとって、父親である訳で。
      今私がやっている事は
      子供に無条件で好きである事を伝える
      離婚不受理届けを出した
      区のセンターに相談履歴を残す
      警察に月1の電話確認をしてもらっている
      とにかく、何かの折に急に出ていく事になっても、こういった事に度々相談していた という履歴がある方がいいと思っています。
      幸い、私の母親は旦那がおかしいのを分かってもらえているので、何かあったら実家に帰ります。
      ただし、その「何か」を感じる力が今まで押さえつけられていたので、今はそのアンテナを頑張ってピンと張っている状態です。
      本当に自己愛はいらないですね。
      そして心配して下さって本当にありがとうございます。

  5. せんち より:

    *** 平成土偶さん
    コメントありがとうございます。
    >だからこそ今自分が作り上げた家庭だけはそういう要素を排除したいのです。
    すべての人格障害被害者にこの言葉を届けたいです。

    1. るる より:

      せんちさん
      「扉の開いた人」
      嬉しい限りです。
      言い争い(基本一方通行)した時、何とか私の気持ちを分かってもらおうとして、頑張って噛み砕いて話しても、悪意のある方にある方に話をすすめられ、何回も涙で枕を濡らしたあの頃は、最悪でした。
      今は分かる。分かり合うつもりなど、相手には無い事が。
      離婚する時は事件にならないようにする予定ですので、ご安心ください(*´艸`)

  6. あいうえお より:

    最近私が関わったアレはボーダーだったのかなとも思うように…
    http://agora-web.jp/archives/1439250.html
    ただ自殺のほのめかしはなかったんですよねぇ
    どっちにしても関わったら最後ですね(笑)

  7. エア より:

    相模原の事件ですが、障害者施設では異常な空間があるみたいですよ。私はそうした施設に入所した事が無いので何とも言えませんが、そうだとしたら、犯人の気持ちも分からなくはないかと…。
    でも、普通の人は異常と分かっていても殺意を持っても、実際に行動に移す事は無いので、犯人も異常な事は間違いないですけどね。社長曰く「そもそも、障害者施設で暮らしている人は、(失礼な言い方ですが)社会に出ない方が良い人間」だそうなので。
    せんちさんは福祉施設を経営しているそうですが、そちらの方はどうでしたか?
    参照:【闇】障害者施設の介護士達から地獄過ぎる現場の声続々! 暴行されたり服を脱がされても「障害だから仕方ない」で済まされる空間
    http://jin115.com/archives/52140652.html

  8. せんち より:

    難しい問題なので、項を改めて書こうと思います。

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