自己愛性人格障害(284) 笑いごとじゃないね

大学時代、ボクは弓道部に所属し、寝食を忘れ練習に没頭した。
大学生活をエンジョイしたかったら、お気軽なサークルに入ればいい。
しかし、ボクは、あえて厳しい体育会系の部活を選んだ。
そこでの経験は、努力は必ず結果につながるという自信にもなっている。

自分がそんな大学時代をおくっていたので、
出会い目的のおちゃらけサークルや、バイトに精を出している連中に対し、
無駄に大学時代を過ごしてアホだなと思っていた。

初めて就職した時に同僚となった山口智大という友人がいる。
彼は、幼い頃に両親が離婚し、母子家庭で育っている。
母子家庭なので家計に負担をかける余裕がなく、
昼はバイトで学費を稼ぎ、大学の夜間部を卒業している。

「おまえはバイトしなくてもいい家庭環境だったから、そんなこと言えるんだよ」
「俺は部活なんかやってる時間なかったよ」

山口君にこのように言われ、ボクは言葉が出なかった。

いくら偉そうに「厳しい体育会系の部活」などと言っても、
山口君から見れば生活がかかってない、
しょせん親に金を出してもらっている「遊び」である。

この時ほど恥ずかしかったことはなかった。
自分の思い上がりを心から反省した。

*****

いついかなる時でも、ユーモアが大切だと考えている。

「でこぽんの法則」も、 人格障害というムカつ対象を、
暗くならないよう、なるべくユーモアを交えて書いているつもりである。
そして、それは、ボクが人格障害者ウッキーをユーモアの対象に出来る、
その程度の被害だったからに他ならない。

しかし、世の中には人格障害者どもによって人生を狂わされ、
大切な財産や時間を収奪され、今も後遺症に苦しんでいる人がいる。
人格障害者どもが許せないという気持ちは同じでも、
笑えないほどの被害を受けている人たちがいる。

先日、たまたま見つけたこのブログを、通して最初から読んだ。

水と油 - モラハラ被害 現在進行形 –

夫のモラハラに耐えかねて、密かに家を出ることを決意し、
息子を連れて家を出るところでブログは止まっている。
タイトルに現在進行形とあるが、既に現在進行ではなくなっている。
このブログの筆者は、自ら命を絶ったとのことである。

詳しくは、実際に読んでもらう方が早い。
人格障害に起因するモラハラ被害の深刻さがよく伝わってくる。
相談を受けながら深く理解できなかった妹さんの無念さがよく伝わってくる。
他人事ながら、読んでいて泣けました。

さらに自殺を知り、その夫は妻の両親の前で、
「守ってあげられなくて申し訳ありませんでした」と土下座したという。
この部分では怒りに震えました。
なんだよ、この演技くさい芝居は。
だいたい何から守るのか、おまえが加害者だろと。

人格障害者どもから受ける被害は、
ユーモアを交えて書くことが出来るレベルの内は軽微なもので、
被害を受ける辛さと周囲の無理解、それが死を選択させるまでに達する。

本来、人格障害者の実態は笑いごとじゃないはずなのだ。
その点、ボクは配慮に欠けていたと思う。

今後「でこぽんの法則」がどのような内容になるか、
それは筆者のボクもわからないが、
水と油 - モラハラ被害 現在進行形 –」の影響を受けずにはいられない。
ユーモアも大切だが、あまり茶化し過ぎるのもいかんと反省してる。

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14 thoughts on “自己愛性人格障害(284) 笑いごとじゃないね

  1. サム より:

    「I said to my soul, be still, and wait without hope
    For hope would be hope for the wrong thing; wait without love,
    For love would be love of the wrong thing; there is yet faith
    But the faith and the love and the hope are all in the waiting.
    Wait without thought, for you are not ready for thought:
    So the darkness shall be the light, and the stillness the dancing.
    私は私の魂に語りかけた とどまり待ちなさい 望みなく
    望みは正しからざるものへの望みだから  
    待ちなさい 愛しまず
    愛しみは正しからざるものへの愛しみだから 
    そこにまだ誠があるのだとしても
    誠と愛と望みとはみな待ちつづけているのだから
    待ちなさい だから 考えず おまえは考えるようには
    造られていないのだから
    そうすれば 闇は光に とどまりは踊りになるだろうから」
    私にも消えたいと思い続けていた日々がありました。
    今でも全てがどうでもよくなってしまう時がある。
    奴と物理的に離れることができても、未だに心身ともに
    蝕まれていく感が否めない。
    水と油のブログの主さんの書き込み、痛いほど状況がわかります。悔しいね。悔しくてたまらない。
    せんちさんのブログにはユーモアと理解と怒りと共感が
    うまい具合に混ざってて私は救われるな・・・
    お互い傷をなめ合ったり、悪口大会や深刻すぎるような
    ブログではきっといつまでたっても前に進めないと思います。
    勿論、笑い事じゃない。けれど笑い飛ばせるようにならないと。別の生き物に遭遇したんだよ!って。
    奴等は一言で言えばバカ。私達に正体がバレたバカ以外の何者でもないんだから。
    と自分に言い続けています・・・

  2. せんち より:

    *** サムさん
    ありがとうです。
    エリオットの詩ですね。ステキだなー。

  3. つぶれ猫 より:

    検索エンジンからたどり着きウッキーの話が面白く
    1からぶっ通しでよんでしまいました。文章がすごい読みやすい!
    今やっと40くらいです。
    以下少し自分語りになってしまいますが、思いだしたので書かせて下さい。
    私は父親と元のパートナーが自己愛性人格障害でした。
    父は絶縁の頃には完全に狂人になってしまい、
    元パートナーには別れ話を持ちだしたら手持ちの荷物を全部ハサミで切られたという出来事がありました(笑)
    でもされた事よりも、最も許せなかったのは、父も元パートナーも痛いところを指摘されると同じように
    「そんな事は覚えてない(から責任は取らない)」と言い訳するところでした。
    他の自己愛の人も同じようによくやる手口らしいですが、
    自己愛の人は都合よく記憶を塗り替えると言われますが
    本当は覚えてんじゃねーのか?と思う時があります。
    本当にやっていない、と思ったのなら「やってない」と言うと思うんですよね。
    「覚えてない」って、それ覚えてるでしょ!と何度も思いました。
    このサイトの昔の記事で「死ねというのはよくないと言われたが、それ以外の言葉が思いつかない」(うろ覚えですみません)
    という記事がありましたが、とても共感します。
    理由は、私自身が自己愛被害にあってから何気なくテレビを見てる時や、何気なく料理をしているとき、
    ふとした瞬間にになぜか空気に向かって「死ね死ね」「はやく死ね」とつぶやいてしまうのです。
    その癖が一向に抜けません…。
    独り言で死ね死ねと言っている自分も相当気味が悪いなと、病人だなと、自分で笑ってしまいますがやめられません。
    今からウッキーの続きを読んできます。
    続きを楽しみにしてます。

  4. せんち より:

    *** つぶれ猫さん
    結構、分量あるので、全部読むの時間かかりますよね。
    ありがとうございます。
    送っていただいたリンクも読みました。

  5. baubau より:

    せんちさんの紹介してくれたブログを少し読んで、とにかく怒りに震えています。
    モラハラ夫の行動が自己愛に起因している感じでぞっとしました。
    せんちさんのユーモアの加わったブログはちてもいいですが、紹介されたブログの方の言葉もとても重く考えさせられます。
    私は自分の命を絶つほど追い詰められていないとは思いますが、あいつらは毎日殺してやりたいと思います。とにかく怒りで気が狂ってしまうこともあります。
    誰かこの気持ちを救ってくれないかなと思ってしまうことも。
    せんちさんのブログは私の心の拠り所になってます。

  6. ぽんちょ より:

    加藤諦三さんの本を読むといいよ

  7. レモングラス より:

    せんちさん、はじめまして。
    同じ職場の後輩が自己愛ではないかと思い、色々調べていた所、せんちさんのブログにたどり着きました。
    おおー!!と思いながら興味深く読ませていただきました。
    後輩くんのことです。
    うつ病から職場復帰した時に、男性後輩くんが心配して優しくしてくれていました。ホントにベッタリって言っていいほど。
    それからいろいろな話をしてくれるようになり、私も話を聞くのを楽しんでいました。その後告白しました。
    メールで「僕もレモングラスさんのこともっと知りたいです」とか気を持たすような返事は帰ってくるのですが、話す機会はあるのに逃げる、でもメールでは気を持たす。1日1回のメールのやり取りが5日くらい続きましたが、彼は答えを出さず逃げ回っていたため、話を詰めようとしました。帰ってきたメールでの返事。
    「今の関係はズルズルベッタリ。先輩としては尊敬しているが、それ以上の感情はない。もうこれ以上この話はしたくない」
    え?ベッタリしてきたのはそっちなのに、全部私のせい?
    自分の言いたいことを一方的に言って、こちらの話は聞こうとしてくれませんでした。職場では無視。
    腑に落ちないし話をしてみたら無視する態度が変わるかもしれないと思い、1週間後、最悪嫌われるのを覚悟で「最近後輩くんの面白い話を聞いてないから、お茶でも行かない?」とメール。
    ここからが地獄。
    恋愛相談していた友達から、「後輩くんにメールしたろ?後輩くんを追い詰めてどうするの?後輩くんはレモングラスさんのことストーカーみたいに思ってるよ。私もメール見たけど精神病の波みたいなのが怖かった」と怒りの言葉。
    え?何でそんなこと知ってるの?と思い、話を聞いたら、後輩から神妙な顔で相談されたとのこと。
    訳が分からないので、友達にこちらの言いたいことを伝えて、話を聞いてもらった。
    すると、後輩は私から告白されたこと、私の頭がおかしい事(後輩のうつ病に対する偏見からの言葉です)などを、職場の人に言いふらしていた!
    しかも、誘ったら喜んであちらからも提案あったりでデートしたのに私が無理やりデートに誘って嫌々デートしたことになってる!?
    まさにやめられない止まらないです。
    他にも私の知ってる事実と違うことが友達から語られる。
    そのうえ、やり取りしてたメールもみんなに見せてるらしい!(自分に都合の悪いとこは隠して)
    さらに私は会ったことのない、心理学に詳しい彼の友達から「典型的な依存体質。無視してれば新たな依存対象を見つけるから無視してたらいい」と診断を受けたらしいです。私の主治医にこの事を話したら「レモングラスさんは依存体質ではないですよ」と言葉をいただきました。
    思えば、彼や家族の自慢話、俺は転職する前はこんなに稼いでいたんだ、俺は出来る人間だ、上司は使えないなど、ほとんど自分の話と悪口ばかり。おまけに悪いとこを指摘しても言い訳するばかりで謝らない。
    見栄えのする仕事をしたがるし口での自己アピールがうまいので、何故か仕事が出来るように見えるけど、実は仕事が出来ない。
    私が話し始めた話題も全部自分の話に変えてしまう。
    私のアイデアを、自分のアイデアの様に話す。
    やめられない止まらない・・・
    ちなみに数ヶ月経った今も無視は続いています。私と同僚が話しているのに入り込んで来るのに私は無視するとか多々です。
    嫌がらせで落ちこみがちな気持ちを上げようと、同僚と楽しく話をして笑っていると、面白くないのかその後の後輩くんの態度が一層悪くなります。
    みんなの居る前ではきちんと挨拶するけど、人がいない時は挨拶しても返さない。私が先輩なのにタメ口。
    仕事中も酷い言葉使いでしゃべりまくる、噂話広げるの大好きで面白いネタは黙ってられない。
    メランコリー親和型の私は素晴らしいターゲット?
    これってモラハラじゃない?と友達に話しても思い過しと言われてしまう。
    うーん。私は、後輩くんが自己愛モラハラと思ったんですけど、違うのかなぁ?
    ちなみに今は後輩くんの前の席の男の子が、後輩くんのズルズルベッタリ攻撃で偉そうな態度で面倒を見られてます。
    ちなみにこの子も仕事できないです・・・うつ病の私や仕事のできない男の子、弱い立場の人の面倒を見て優越感に浸ってるのかなぁ?

  8. まどか より:

    リンク先、拝見しました。
    現在、自己愛に起因するモラハラ夫との別居準備をしている者としてはこのブログの話は他人事ではありません。せっかく、ついに別居に踏み切ったのに、なにがあったんでしょうね・・
    読んでいて「うちは子どもがいない分、この人ほど大変じゃないけど」と思って気づきました。このブログ主さんもどこかで「うちはそれほどひどくない」って書いてらっしゃいましたよね。それからほかのモラハラブログでもそういった発言って見かけたことがあります。
    これはなにか特定の状況における一般的な心理なのか、それともモラハラのターゲットになりやすい人間の特徴なんでしょうか。
    せんちさんのブログにはいつも励まされています。ユーモアは大事だと思いますが当事者はそのゆとりを失いがちですし、せんちさんの文章を読むとそのことを思い出しますし、代わりに「ばかばか」と言っていただくとすっきりします(笑)一番辛いのは「わかってくれる人がいない」ということなので、わかってくれる人もたくさんいると感じることは大きな励みです。これからもユーモアを交えて書いてほしいです。

  9. せんち より:

    師走に入り忙しくてなかなかお返事できなくてすみません。
    *** baubauさん
    コメントありがとうございます。
    あのブログ、本当に他人事ながら怒りを感じますね。
    読後は暗鬱な気分になりました。
    「モラハラの恐ろしさは、あなたの想像を超えます。
    決して甘く見ないでください。」
    この妹さんの言葉が重いです。
    きっと妹さんもそこまで深刻だなどと思っていなかった、
    その後悔が滲み出ている言葉で非常に重いです。
    *** レモングラスさん
    コメントありがとうございます。
    もう手がつけられないですね。言葉もありません。
    ついフラッとしてしまう気持ちはわからないでもないですが、
    何か別の想いを恋愛感情と錯覚いしている事に気付く時が来るのじゃないかしら。
    何と答えてよいやら。。。状況が手に取るようにわかるので、
    やはりいつものセリフに戻ります・・・いわく、離れるべきと。
    *** まどかさん
    コメントありがとうございます。
    あのブログの方と同じような状況でいらっしゃるんですね。
    頑張ってください。
    大丈夫だとは思いますが、あんなツライ結果にならないでください。
    難しい話になりますが、人の心から差別意識はなくなりません。
    それは人種であったり出自であったり、どこかで序列を作り、
    自分はまだマシと感じて安心する性質が必ずあると思うのです。
    江戸幕府はあえて身分序列を作り民衆の不満を軽減していたくらいです。
    だから自分はまだマシだと思う気持ちは自然なことだと思います。
    ただ、それは実際には自分はまだマシだと「思いたい」という感情だと思うのです。
    モラハラ被害に上下などなく、皆一様に逃げるべきだと思います。
    どちらがマシとかひどいとか、そういう問題ではないのです。
    職業に貴賤なく勤労はどれも美しいのと同様に、
    モラハラ被害に強弱などなく、どれも許せない事象なのです。

  10. 上村 より:

    自己愛は自分に甘く常に被害者面、相手に罪悪感を持たせよう、責任を押しつけようと必死だけどワンパターンでバレバレ、ギャグみたいな存在なんだけど近くにいたら迷惑で仕方ないです。
    自分のことをかわいそうだと思わないのか!とわめいているだけだから周りに人がいなくなる、慌てて媚びてご機嫌取り、の繰り返し、そして最後は誰にも相手にされなくなる。
    相手にするだけ時間の無駄、離れられるなら無視して縁を切るのが一番ですね。

  11. より:

    そう…
    「自殺に追い込んで申し訳ありません」ではなく、
    「守ってあげられなくて申し訳ありません」なんですよね。
    全然別の部分を謝って、あたかもそれが自分の罪の全てであるかの様に装って、一番追求されたくない部分である「自殺に追い込んだ」と言う部分から目を背けさせようとする。
    恐らく自己愛と関わって来た皆さんならば、一回は見た事あるでしょう?

  12. レモングラス より:

    せんちさん
    お忙しい中お返事ありがとうございます。
    先日、酷い事をされた次の日に後輩くんの姿を見ることすらできなくなっていました。体が拒否するんです。
    少し落ち着いて、今は少し良くなりました。
    自分を守るにはホントに逃げるしかないんですよね・・・
    職場で上手く部署異動できれば良いのですが・・・
    リンク先も拝見させて貰いましたが、モラハラはホントに許せません。
    私も周りに分かってもらえるまでに時間がかかりそうです。
    それと、私がこの後輩くんから逃げられたとしても、次のターゲットになる人が現れると思うと、気が重くなります・・・
    後輩くんがどうやって育ってきたかまでは知りませんが、なんでこんな人たちが生み出されちゃうのかな。

  13. T より:

    記事の内容もみなさんのコメントも良く分かります。
    兄がまさに自己愛です。記憶を改竄したり恥の概念が存在しなかったり。ずたぼろにされて対人恐怖気味で人生をボロボロにされました。死ね死ねの口癖の話もそうなりますよね・・、僕もそうですから。
    みなさんの心的負担が和らぐこと、仇敵が死ぬことを願っています。ご自愛くださいね

  14. せんち より:

    *** Tさん
    兄弟が人格障害だと容易に離れられませんね。
    かくいうボクは弟と20年以上話してません。

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