自己愛性人格障害(256) 遺伝? その3

最近、麻原彰晃の三女が顔を出してテレビ出演したり、
自著を発表したりしている。

父親があの麻原彰晃である。

インタビューに答えるテレビを見たが、
あの父親の娘として生まれた運命を呪い、
一方で父親のことを信じたい一片も感じられ、
複雑な心境をのぞかせている。

父親のことを信じたい気持ちが遺族を逆撫でしているようだが、
娘としては、そういう心情も理解できる。
酒鬼薔薇の母親ですら、
面会で「本当にあなたがやったのか」と確認したというから、
やはり「本人の口から聞く」というのは身内としては大切な儀式なのだろう。

子供に罪はない。
しかし、この娘は麻原彰晃の娘というだけで、
学校の入学を拒否されたり苦難の人生を歩まねばならない。

対抗したのか、同時期に日テレが麻原彰晃の四女を出演させ、
姉である三女を批判、さらに父親をも批判している。
四女が自ら痛烈に父親を批判することは、
「麻原の娘」として生きていく上で必要なことかもしれないが、
逆に、そういう意図が感じられるところに違和感を覚えた。

まだ、父親本人の口から聞くまで、
父親の関与についての自分の判断は保留したいという、
この三女の気持ちの方が自然に思える。

同じ親、同じ環境で育った姉妹ですら、
このように考え方が正反対なのは「その後」の環境に依るものだろう。

*****

古代から現代に至るまで、
日本の社会には「穢れ」の思想というものがある。
簡単に言うと、実際は関係ないと知りつつ、
感情的に拒否したい気持ちのことを指す。

例えば、他人の使った歯ブラシは、
どんなに洗浄して殺菌消毒しても、使うことに抵抗があるだろう。
理論上は何の不浄もないし、
他人が使った箸を洗って何度も使うのと、そう変わらない。
しかし、わかっていても、他人が使った歯ブラシは抵抗がある。

*****

麻原彰晃の娘は、生涯麻原の娘であり続ける。
そして、おそらく結婚して出産もしないだろう。できないだろう。

子供に罪はない。

わかってはいるけれど、麻原彰晃の娘と結婚し、
その血を継ぐという行為に、普通の人は抵抗を感じると思う。

秋葉原事件の犯人の弟は相手家族の大反対で交際相手と別れ、
宮崎勤のお姉さんも、事件後、婚約破談になっている。
これが現実である。

犯罪者の子供が、だからといって将来犯罪者になるなどということは、絶対にない。
遺伝なんか全く関係がない。
しかし「穢れ」の思想と類似した感情が根底にあるのだろう。
それもまた、気持ちはわかるのである。

*****

人格障害者の家族には、絶対に幸福になってもらいたい。
身内に人格障害者がいても、
その家族には幸福な結婚をしてもらいたい。
親が人格障害であっても子供は幸福になれると、
そういう立場の人は、全力で証明してもらいたい。

人格障害者に人生を邪魔されるわけにはいかない。

続く

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10 thoughts on “自己愛性人格障害(256) 遺伝? その3

  1. SARA より:

    せんちさん、こんばんわ
    改めて「自己愛性人格障害」という言葉を考えてみると、
    何故「障害」なのか?って思ってしまいます。
    目が見えないとか、耳が聞こえないとか、手足を失ったという身体的な障害の場合でも、
    大きな事件や事故などに巻き込まれたり、虐待を受けておこるような
    心的外傷後ストレス障害と言った心の障害でも、
    ご本人にとって大きな苦痛を伴ったり、生きることが辛くなったり、
    まずご本人が「障害」という自覚を持たれています。
    自己愛者はどうでしょう。
    身体的な障害で「手足を失った」というニュアンスで言えば、
    彼ら無いのは、他者に「共感」することの欠如、
    虚言や問題行動があっても、それに対しての「罪悪感」の欠如・・・。
    しかし殆どの場合、
    本人にはそれらが欠如している障害の自覚はないと思えるのですが、
    だったら自己愛者自身がその障害で苦痛を感じることも無いのでしょうか。
    苦痛を感じ生きることが辛くなるのは自己愛者にタゲられた者で、
    自己愛者はその上にあぐらをかいて生きています。
    なんて都合の良い障害者か・・・、
    そんな事を考えていたら、
    自己愛者に障害という言葉を付けることさえ勿体ないと思えました。

  2. てんとうむし より:

    せんちさん
    はじめまして。
    社長からひどいパワハラを受け、色々調べていたところこちらのページにたどり着きました。
    やりきれない思いで日々すごしていたのですが、自己愛性人格障害の特徴を見て
    社長は自己愛だと自分の中ではほぼ確信できました。
    おかげでかなり気持ちが楽になりました。ありがとうございます。
    私が受けているパワハラは、些細な言動や行動に対していちいちいちゃもんをつけられる、
    というのが主になりますが、とにかくやりかたが陰湿です。
    あるときはメーリングリストに明らかに私だということがわかるような
    批判メールを流し、洗脳されているほかの社員を鼓舞する。
    あるときは邪推を膨らまして人格攻撃、その根拠は何かとこちらが質問すると
    そういう行為が人として足りない部分だと意味不明な反論をしてきます。
    実は、私が知る限り、私が3人目のタゲです。
    過去に他のタゲがいたときは、私も社長との関係は普通、
    というかむしろ良好に近い感じでした(今となっては勘違いとしか思えませんが)。
    しかしタゲとなってしまった今、これまでの奴の行動を振り返ると
    当時から自己愛の特徴的な行動だらけでした。
    例えば、
    ・他人の仕事のトラブル大好き。介入していって、トラブル対応大変だったが
     俺が入っていったことで解決した。俺への信頼で取引が継続したと吹聴
    ・自分より下(学歴や職歴)の人に対しては非常に愛想が良い
    ・わざとらしい笑み
    ・負けず嫌いというか異常なプライドの高さ。
     例えば私が「○○社の部長さんと友人」などと話すと「俺はそこの社長とつながりがある」
     とよくわからない自慢をしてくる
    ・目つきがギラギラ
    ・自分は人格が優れており、何か問題があると他の人の人格がだめなせいだと平気で発言
    ・幼少期に貧乏生活、親からの愛情に欠けていたと不幸自慢
    ・自慢話、大きすぎる話をよくするが実際に行動は伴わない
    ・立場が苦しくなると、信頼が~、成長のため~などといってごまかす
    などです。
    ワンマン社長なのでこの状況を変えることは難しいだろうと思い、
    真剣に転職を考えています。
    この記事の最後の「人格障害者に人生を邪魔されるわけにはいかない。」
    という言葉が響きました。
    ブログを読んで、色々勉強させていただきます。

  3. 多分自己愛 より:

    せんちさん、こんにちは。はじめまして。
    病院には行ってませんが、自己愛かな、と思っています。
    死ねばいい、と言われる度に悲しくなりますが、その気持ちも分かり、また、自分自身死にたい気持ちも強いです。
    生きていても常に気分は悪く怖く不安で、誰かにとってはモンスターです。常に自分のことしか考えられず、それなのに自分のことが嫌いであり、大事に出来ません。周りも大事にしません。
    自殺は何回か考えましたがその勇気は結局ありませんでした。
    ウッキーさんのように仕事をしているふりとかはないですが、逆で、自分には利益にならない裏方や誰かの尻拭いをしたり、自分の手柄は上げてしまいます。謙遜なのではなく、役割損をして安心したいのです。
    不幸な環境で育ったことから抜けられず、大人になっても肌馴染んだ子供のままです。
    悲劇のヒロインに浸りたい訳ではありませんが、幸せになると、途端に息苦しくなったり怖くなり、手放して、不幸にしがみついてしまいます。
    障害、ということで遺伝ではないということに安心しましたが、逆に治らなさそうなことに絶望しました。
    こちらではないどこかで、へんとう体の方に働きがあり、爬虫類脳になる、みたいなことが書かれてあり、パーソナリティー障害の方が同じ顔(目つき)同じ言動なことが納得いきました。
    私はかわいらしい顔と言われますが、自分では鏡を見れば、あの独特のぎょろっとした目つきをしています。鏡はあまり見ません。
    今機能不全な家族や環境はごろごろあり、どなたもそれなりにご苦労がある中、一人甘えたちゃんで自分が情けなくなります。
    しかしたとえ治らなくても、少しずつでも、なんとかしなければならない、とこちらを読んでいて思いました。
    更新楽しみにさせていただいてます。
    介護は難しいことや難しいひとが多いです。
    頑張ってください。

  4. はな より:

    多分自己愛さん
    こんにちは。はじめまして。
    私もせんちさんと同じく自己愛を雇用していたことがある立場ですが、多分自己愛さんは、多分、自己愛ではないですよ。
    自己愛が手柄を他人に渡すことなんて、想像できないです。
    誰かの尻拭いなんて、死んでもやりません。
    手柄を渡すことや尻拭いが自身の優しさではなく、安心を得るためという動機から来ていると分析されており、そのことから自己愛を疑っておられるのかもしれませんが、自分が安心するためであっても、他人に手柄を渡したり、他人の尻拭いをするのって、素晴らしいことだと思うし、自己愛がやるとは思えません。
    自分を好きになれないとおっしゃいますが、やらない善より、やる偽善と割りきられたらどうかなと思いました。
    僕は、多分自己愛さんのコメントを読ませていただいて、自己愛ではないと確信を持ちましたよ。
    たまたま、仕事の合間にコメントを拝見したので、コメントさせていただきました。

  5. まり より:

    多分自己愛さん
    コメントみて思いました。
    多分自己愛さんは、自己愛さんではないと思います。
    自己愛さんとは、自分自身を悪くおもいません。自分が優位になるように策略化ですが、恐怖心からくる行為なので悪人としての
    オーラの無い人の事です。
    ね、せんちさん

  6. せんち より:

    *** SARAさん
    昔、こんなことを書きましたなあ。
    自己愛性人格障害(006) 障害ではない
    障害は障害なんでしょうけど、
    身体障害とはまた別の、
    字面の通りの「障害」という意味でしょう、人格障害とは。
    ボク自身、いまだに、人格そのものに障害があるってすげーなーと思っています。
    *** てんとうむしさん
    そんな社長がいる会社が普通に経営やっていけるというのが不思議です。
    ワタミも赤字転落ですし、いずれ人格障害の末路を辿ると思います。
    人格障害者に人生を邪魔されるわけにはいかない・・・
    これは、家族、親兄弟や配偶者に人格障害者がいる方に向けてのつもりだったんですが、
    職場も人生を構成する大切な要素なので、
    将来が語れないと思ったら、転職すべきだと思います。
    人格障害者が原因ではないですが、ボクもサラリーマン時代は転職を何度も経験しています。
    *** 多分自己愛さん
    すみません、もう少し熟読してから、
    ボクもコメントさせてください。
    *** はなさん
    すごいな~、はなさんがどんな状況だったか、
    まるで手にとるようにわかる!
    手柄を他人に渡すことが想像できない。
    誰かの尻拭いは死んでもやらない。
    ははん、アレだなと、
    人格障害者ウッキーに当てはめても、
    まるで手にとるように、その時の状況がわかります。
    笑いごとじゃあないですが、笑っちゃいます。
    はなさんは「窓が開いた人」(人格障害者を知った人)なんだなと、
    改めて思いました。
    *** まりさん
    積極的に悪いことをする悪人のオーラはなくて、
    自分を否定されるのに怯えてウソ言い訳責任逃れをする、
    「受け身」のオーラを感じますねえ。

  7. まり より:

    せんちさん
    人づてに仕掛けられら悪行を責めずに、さりげなく疑問視して
    問いかけてみたことがありますが、キョトンとした、表情をしていました。
    その悪意の実行犯のみを強調し、ウッキーそっくりさんには、不思議そうに相談してみました。なぜそのようなことになったのかって。今後はそのような事態にならないように、ウッキーそっくりさんの力を借りて、やめてもらう感じで、やんわりと。それを周りにも周知させ、。。結果成功しました。

  8. やなか より:

    はじめてコメントさせて頂きます
    やなかと申します。
    昔から反省とか罪悪感とかと無縁の姉に違和感を感じていました。
    そしてブログを拝見して、姉は自己愛なのではと思うようになりました。
    私が甥や姪を預かったり、何処かに連れていっても絶対にありがとうと言わない
    (頼んだわけではないからありがとう何て言う必要がないと言う)
    うまいことあれこれ私にさせる
    (私は出来ないけど、まなかは出来る。だからやるべき、私ならやる。でも感謝なんかしない、私なら感謝なんて求めずやるから)
    自分がいかに優れているかの話ばかり(主に、誰それが私にこんなに頼ってきて、私が居ないとだめで、全国的に評価されて~と誰それが私を誉めてた話ばかり。の割りに転職が多い)
    その時々仲の良い友達はいるが、長く付き合ってる友達が居ない
    テレビを見ながらずっと悪口(どんな女優さんも、鼻が変、首が短いなど駄目な部分を見付けてる。誉めることはない)
    母親を動かすのがうまい
    (いつも、自分が大変な話から辛い鬱になりそうなど言っては可愛そうな自分、頑張ってるのに報われない自分アピール。母はそのまま受け止める)
    不倫をした(自分の旦那がダメ人間なせい。私から見ても本当に人格者の義兄を貶める)
    不倫の末に離婚なのに、不幸なシングルマザーアピール
    そして、なにより悔しく腹がたってならないのが、中学受験に合格した思春期の甥に父親の悪口を吹き込み離婚して、精神的に不安定になった甥を発達障害だと学校に説明し退学させたこと。
    自分の不倫はともかく、離婚の話も学校にはせず、夜男のところに会いに行ってるくせに不登校の甥をせめて自分は可愛そうなシングルマザーだと泣く
    私が何を言っても、酷いことを言われたから、辛いのは私だと聞き入れない。
    私は縁を切りましたが、年老いた母親を利用することしか考えず、雨の日の夜に呼びつけたりしてるのでどうしても助けなければならない。
    私はこんな姉を甘やかし良いなりの両親に腹をたててましたが、長年自己愛の姉にコントロールされてきたのだと思うようになりました。
    そして姉は一生、自分は被害者で優秀なのに恵まれない
    と言い続けるのでしょう。

  9. まり より:

    やなかさん
    つくなからず、兄弟のトップは、家族の中で一番でい続けたい
    生き物かと思っています。
    少なからず、人の採点をするヒトは、自分に自信がないということと勇気がないということ、自分が納得できる人生を歩んでいない証拠だと思います。
    お姉さんのような方は、精神障害と紙一重かもしれません、
    普通に存在すると思います。

  10. せんち より:

    *** やなかさん
    人格障害者どもは、なぜにこうも同じ言動をするのか。
    そして同じ言動をするからこそ人格障害と類型化できる。
    やなかさんのコメントを読んでため息が出ます。
    人格障害云々以前に、こういう奴とは一緒にいられません。
    世の中から人格障害が消える方法はないでしょうか。

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