自己愛性人格障害(201) 推理小説の文法

前回「自己愛性人格障害(200) 結局、認めてないぞ その1」のコメント欄には参った。自分の読解力のなさに情けなくなる。今回、人格障害とは離れて、息抜きで、関係ない話を書かせて欲しい。

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ワシは推理小説を集中的に読んでいた時期がある。気取った純文学なんかより、エンターテイメントとして楽しめる推理小説の方が断然おもしろい。ミステリー映画もいっぱい観た。誘拐事件を扱った黒澤明の「天国と地獄」という映画がある。身代金奪取の手法が映画の見せ所のひとつとなっているが、公開後は実際に類似の手法で現金を奪う事件が起きたという。いかにリアリティある映画だったかが伺える。

誘拐事件というのは、身代金の授受がポイントなのだ。ここでどうしても犯人と被害者側が接触しなければならない。どうやって身代金を受け取るか?ボクもあれやこれやと、いろいろ方法を考えたりしていた。上手い方法が見つかったら自分で小説を書いて、もしかしたら乱歩賞もらえるかも!なんて妄想したりしてた。恥ずかし~。

高橋克彦によると、彼が江戸川乱歩賞を受賞出来たのは、完全に「傾向と対策」のおかげだと書いている。過去の受賞作を徹底的に調べ、「2人以上殺す」「離れた場所で事件が起こる」といったような、審査員にウケそうな要素をあえて盛り込んで狙った結果だそうだ。

推理小説にはルールというか、推理小説ならではの作法がある。例えば「実は双子だった」というオチは使ってはならないとか。マレーネ・ディートリッヒ主演の「情婦」という映画がある。クリスティの「検察側の証人」を原作とした法廷ミステリーである。推理小説愛好家のマナーとして内容の詳述は避けるが、監督のビリーワイルダーは「ディートリッヒ以外の役者でも撮影した」と述べている。映画を見てない人には、いったい何のことかわからないので申し訳ないが、これ、肝心な部分をディートリッヒ以外の女優を使って撮影してたらインチキ(笑)。推理小説には、読者をアンフェアな手法で騙してはならないルールがある。

ワシが素晴らしいと思ったのは、筒井康隆の「ロートレック荘事件」である。キャッチコピーが「映画化不可能」というもので、なるほど、確かに映画化は不可能なトリック。というか、映像にするとトリックがバレバレで、トリックにならない。もうひとつ、すごいなーと思ったのは、綾辻行人の「時計館の殺人」。これもまた、斬新なアイデアだった。こんな話を思い付くのだから作家ってすごい才能だなと思う。

実は、ワシにもひとつ、推理小説のアイデアがある。ワシが知る限り、今まで誰も使っていないトリックだと思う。事件の鍵を握る登場人物の性別を不明にしておく。例えば名前を「ひろみ」といった、男でも女でもあるような名前にする。「ひろみ」は男言葉や女言葉を使わず、常に丁寧語で話す。読者には「ひろみ」を女性だと思わせつつ話を進め、例えば「怪しい男を見た」という証言があっても、読者の頭から「ひろみ」は除外されるように仕向ける。話が進んでいっても読者は犯人らしき人物の予測がつかない。しかし、オチの後に、「ひろみ」が男ならすべて説明がつく・・・文字だけでは「ひろみ」が男か女かわからない点を突いた、小説ならでは有効のトリック。このトリックを使った話、誰か書いてくれないかな。アイデアの著作権は譲ります(笑)

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とにかく、みんな真面目に書いているんだからさ。一人二役とかさ、同一人物が一人相撲でやりとりするとかさ、そういうのって、コメント欄のマナーに反すると思うんだよ。読者を裏切らない文法を守ってよ。

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22 thoughts on “自己愛性人格障害(201) 推理小説の文法

  1. baubau より:

    せんちさん、皆さん、お疲れ様でした。
    私もすっかり騙されてたのを今日前のブログを読んで知りました。
    少しでも自己愛に対して理解しようとした自分が情けない…

  2. ムカムカ より:

    落ち着いて考えたら・・・
    ぱぱさんと会話したし、途中でスタンス変えてしまったし、長文コメントを連投したし・・・
    私自身も「容疑者」の一人と見られても仕方がない状況でしたね(汗)

  3. より:

    しきりに「せんちさんは激情的である」とか「悪い方向に視野を絞る」主張したのも、言わばレッテル貼りですね。要はそれが彼にとって都合のいいせんちさんのキャラなんでしょう…
    そして彼自身の「内心自覚してるけど受け入れたくない姿」なんです。そんな事言ってる彼自身が、せんちさんの意見を悪い方向に捻じ曲げた訳でしょ?「死んでほしいとか健常じゃない」とか、本質と関係ない部分にやたらスポット当ててね(笑)これも投影同一視!
    例えば、合コンの時に「お前(あなた)Mでしょ?絶対Mだよ〜!」としきりに言ってくる人いませんか?それも相手を都合の良いキャラに仕立て上げて、自分の都合の良い様に扱いたいだけなんです。

  4. こゆきりん より:

    >相手を都合の良いキャラに仕立て上げて、自分の都合の良い様に扱いたいだけなんです。
    若い男女のやり取りでそれは往々にしてあるとは思います。コミニケーションが稚拙で短絡的なだけで悪気はないんです。
    が人格障害のそれは変な方向からの捻じ曲げやこじつけであってまったく別物です。
    ターゲット一人にこじつけるのに飽きたらずに他の取り巻きも同じ感覚に陥らせて訳わからなくしてゆきますよ。
    以前の自己愛同僚がある人に向かって「PCが使えない」と悪口言ってると思ったらその自己愛がPCが不慣れなために起こるミスを連発。
    また別の人に「あの人仕事中寝てるー」と言ってると思ったら自己愛は仕事中にDVD観ながら寝てたり・・・。
    一連の流れの中で物事を理解して行ったり、判断してりすることはまったくできないです。
    3歳位で精神年齢が止まってるって聞きましたが、それドンピシャなんです。
    3歳前後で自我形勢が確立されるとの事ですがそれが一生できない。
    永遠の3歳児。

  5. より:

    かわいくねー3歳児すね〜…(´・_・`)
    自分の矛盾がわかんないんでしょーね〜…いや自分の欠点を認識するのが嫌なんでしょうね。
    あと、こゆきりんさんが仰った「雑なハンネ」は地味にウケました(笑)毒舌すね〜

  6. こゆきりん より:

    iceさんも誰と誰が本当の自己愛か分かっているのかな?
    もうね・・・言いたいんだけどね・・・。
    言えないのよー。
    もう私はね、ずーっと我慢してますよ。
    芯は毒舌なんで余計に我慢です。
    iceさんに見透かされちゃいました。Σ(゚Д゚)

  7. より:

    こゆきりんさん
    確かに…
    ぶっちゃけ!言ってる事が「??」って思う人は見掛けましたね(笑)
    そうですね〜…また今回みたいに明らかにアレなのが来ない限りは、トラブルは起こさない方が良いと思います(^_^;)

  8. baubau より:

    理化学研究所の笹井芳樹・発生再生科学総合研究所副センター長が、神戸市内で自殺を図ったようですね。
    あの小保方の上司…
    遺書には小保方とは関係ないと書いてあったようですが、あの自己愛発言がなかったら彼も自殺までしなくても良かったのでは。
    自己愛の被害と言えそうです。

  9. 明日夢 より:

    死人が出ちゃいましたね。
    自己愛の被害は恐ろしいですよね。
    自分が可愛い小保方は、悲劇のヒロインぶるんじゃないのかなと私は思います。
    一連の騒動見てて、小保方って喧嘩上手な感じがします。

  10. より:

    200回も成功してるんだしね〜…あるんだったらあるで、弁護士使って理研の粗探しなんかしてないでぱっぱと証明しちゃって、逆にないんならないで、ぱっぱと素直に謝ってスッキリしておけば、これだけ長い間彼が追い詰められる事はなかった筈なんですよね…
    故人の遺志を尊重しましょうかね…百歩譲って小保方一人が悪かったとまでは言わないけど、これは彼女はもう必ずハッキリさせなきゃいけませんね。
    あるならとっとと出す!ないならとっとと謝って其れ相応の責任取る!
    彼女に少しでも故人の遺志を尊重する、「人間らしさ」が残っている事を願いたいです。
    これで尚今までの様に、事をウヤムヤにしようとしたり他人に責任転嫁しようとするならば…
    彼女はもはや人間ではないと思います。

  11. せんち より:

    笹井先生の自害のニュースを見て、
    はなこさんが詳しく書いてくれたコメントを読み直しました。
    小保方さんよりも笹井先生の方が責任は重いように感じています。
    彼がバックについているという威光と信用で小保方さんの論文が掲載されたはず。
    いずれにせよ、嫌なニュースです。

  12. こゆきりん より:

    毎日毎日責任だの証明だのと追い詰められ、人一人の許容量を超えていたんだと思います。
    重い鬱病と闘いながら、逃げ出したいのを堪えて日々戦ったけれど、ある日プツッと緊張の糸が切れたんでしょうね。
    お気の毒としか言えないです。
    そうやって追い詰めながらも死んだあとは、惜しい人を無くした、彼の死は大きな損失だったとシレーっと言ってるのが普通の人だと思います。

  13. ムカムカ より:

    STAP不正問題については、下村文科省やら井戸兵庫県知事までもが擁護の姿勢を取っていることから、セルシード株だけでなく、想像以上に多くの利害関係が絡み合っていることが伺えました。
    先日のNHKスペシャル「不正の深層」を見ましたが、
    笹井氏は、神戸先端医療産業都市計画のキーパーソンとも言える立場で、ポートアイランドのCDB周辺の企業誘致に大きな役割を果たしていたんですね。
    もちろん、CDBそのものの設立においても。
    その笹井氏が、こんな詐欺じみた不正に深く関わって、懲戒処分やCDB解体を提言されるまでの事態になった。
    彼の置かれた立場の複雑さは、想像を絶するものだったののだなと、今さらながら、思い知りました。
    STAPが出来ないなどとは、口が裂けても言えない。
    そんなジレンマに苦しんでいたのではないかと、素人考えですが、想像しています。
    来週は、4月から続けていたSTAP検証実験の中間報告の予定だったそうですね。
    笹井氏が亡くなったことで、延期となったみたいですが・・・
    鋼鉄のようなメンタルを持った嘘つきが生き残り、彼の命までもを、自分の都合よく利用するのではないかと・・・
    嫌な予感がして仕方がありません。

  14. せんち より:

    こういう事を書くと炎上するかもしれませんが、
    人の価値は皆同じではありません。
    人類皆平等なんてのは幻想です。
    身近な話だと、交通事故で致死の場合、
    相手の職業や年齢で賠償額が変わってきます。
    笹井先生は、一度の躓きなんぞ、
    今までの功績と今後の業績でじゅうぶんカバーできる、
    そんな方だったと思います。
    総理大臣が理研に視察に訪れ、
    接遇している笹井先生の映像がニュースで流れています。
    後ろには野依先生と山中先生というノーベル賞博士がいます。
    そういう方だったのに、
    本当に日本にとって損失だったなと思います。

  15. より:

    長文いいすか?
    若い皆さんは知らないかも知れませんが、昔「BOØWY」と言うバンドがあったんですよ。僕も中学の頃、すげー大ファンでバンドでコピーなどもやってたんです。
    僕の中学の時はいわゆる「バンドブーム」で、イカ天(三宅裕司のイカすバンド天国)などが一世風靡して、とにかくバンドやってればモテる時代で、特にBOØWYのコピーはモテました(笑)
    まあそのBOØWYにH袋と言う長身のギタリストがいたんですが、今思えばそのH袋も自己愛の気があるんじゃねーかなって…
    「4人でやるべき事をやりつくしたから」が公な解散理由であるBOØWYですが、メンバーの暴露本によると若干語弊があるようです。
    実際にはH袋が「デビットボウイと共演したい(要は世界で活躍したい)」と言い出した事と、当時のかみさんである山下久美子のライブにヒムロック(ボーカルの氷室京介)以外のメンバーを引っ張り出そうとした事が、大きな軋轢を産み出したそうです。
    当のH袋は解散後、ファーストアルバムこそ全曲英詞など海外進出を意識した出来栄えでしたが、それが英国でコケたと分かれば、分かりやすい位の日本人向けの曲作りに終始してました。
    この時点でBOØWY解散してまで実現したかったお前の「海外進出」は何だったの?て感じでしたが、H袋の迷走ぶりはこれに止まらず…
    吉川晃司と「COMPLEX」とか言うわけわかんねーの結成したと思ったら、すぐに仲違いして吉川を無能呼ばわりして解散しました。
    極め付けは…
    つい最近東日本大震災を受けて氷室京介が「全曲BOØWY」のチャリティライブを発表して、自分も見に行ったんですが、それを聞いたH袋が、てめーが声掛けて貰えなかった怒りから、氷室を「間接的に」貶める発言をTwitterしたんですよ。
    【再結成を望む気持ちは(ファンの)皆さんと一緒でした。でも僕は氷室氏を否定するつもりはなく、彼の信念に基づいたものであるだろうし、むしろリスペクトしています。】
    みたいな…一言言いたい!
    てめーが元凶だろうが!アホ!裏言葉駆使して、自分の価値上げて人の価値下げてんじゃねー!
    そんな理由で、僕はH袋の人間性が嫌いな訳だが…じゃあ彼の音楽性はどうか?
    僕がギターを始めた一因はH袋です。彼の「カッティング」と言う奏法をひたすら真似ました。そもそも僕が大好きなBOØWYの音源は、いわばH袋の音楽そのものです。
    先述でバカにした「COMPLEX」も実は大ファンで、東京ドームでの解散ライブも震災のチャリティの再結成ライブにも行った位です。
    要はH袋寅泰の音楽はたまらなく好きなんです!けど彼のわがままな自己愛っぷりと、クレーターだらけの顔面は堪らなくムカつくんです!この気持ち分かりますよね?
    若い方には退屈な話ですいません。

  16. baubau より:

    人類皆平等なんてのは幻想…まさにその通りですね。
    特に自己愛って、うまーく適当なところで手をうって人の注目を浴びたり、成功している気がする。
    小保方も笹井先生なしではあそこまで注目されることもなかった。しかし、彼が居なくなり、実験に成功したとしても後ろ盾のない彼女がどうなるか…結局、理研からは追い出されるでしょうね。

  17. こゆきりん より:

    >今思えばそのH袋も自己愛の気があるんじゃねーかなって…
    成功した自己愛は医学的には人格障害にはならないらしいです。
    H袋さんが自信過剰で色々やらかしているのは知ってます。
    見てると面白い人として認識してます。

  18. のーきー より:

    何かSTAP細胞のあるなしよりも、今まで通り理研の研究者としての立場(場所)をただ守りたいだけの様な気がする。
    離れ際に異常に大きくモメるのはやはり。

  19. より:

    こゆきりんさん
    >成功した自己愛は医学的には人格障害にはならないらしいです。
    確かに(笑)ただ「詐欺をせずに」成功したって所はポイントですよね(^ー^)ノ
    オボやゴッチや麻原も一応「成功者」て言や成功者ですからね…
    その点、H袋の演奏技術と音楽制作能力と身長は紛れもなく本物でしたからね。
    のーきーさん
    >今まで通り理研の研究者としての立場(場所)をただ守りたいだけ
    そうですね(笑)その一手段としてSTAP細胞を根拠示さず、あるある言って体裁を守っているのです。

  20. せんち より:

    ローリングストーンズのコンサートを東京ドームに見に行ったとき、
    ゲストで布袋が登場したんでびっくり。
    もうストーンズ・ファンからはブーイングで。
    でも、あまり出しゃばらず、
    バンドをたてるような姿勢だったんで、
    ボクはそんなに嫌な感じはしなかったですよ。

  21. より:

    せんちさん
    いや、自己愛の特徴わかるでしょ?自分より立場が上の者には媚びるんですよ(´・_・`)

  22. せんち より:

    いえ、実は、モロその世代ではあるんですが、
    中高の頃は洋楽一辺倒だったんで、
    あまり布袋の事、詳しくないんです。
    ただ、ストーンズのコンサートに日本人が出てたなあと、
    それだけなんです(笑)
    すみません、真面目な話題に横やりいれちゃって。

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