自己愛性人格障害(184) 有名人と知り合い

浜田省吾がいた。 浜田省吾は1958年生まれなので、 ちょうどビートルズを聴いていた世代である。 神田さんと浜田省吾は非常に仲の良い友達で、 学校が終わるとよくお互いの家で一緒にレコードを聴いたりしていたそうだ。 ご存知のとおり、その後、 浜田省吾はミュージシャンとしてデビューすることになる。 しかし、神田さんは、浜田省吾とは卒業以来会っていない。 それどころかコンサートにも行ったことがないというではないか。 一方で、たいして仲が良かったわけでもない人たちが、 有名人になったからといって、ただ同級生だったというだけで、 さも親しそうにコンサートの楽屋に出入している。 神田さんは本当に親しかっただけに、 そういう連中と一緒にされたくないという思いがあったという。 その気持ちは非常によく理解できる。 さて時が流れ、それから数十年後。 つい最近の話である。 浜田省吾が地元広島でコンサートをやるというので、 その宣伝を兼ねて地元のラジオ番組に出演した。 「やー、僕が学生の頃は洋楽を聴いてるなんてクラスに2~3人だったんです」 「ビートルズだって、クラスのみんなが夢中になっていたわけじゃない」 そんな話をラジオでしているのを、偶然にも神田さんは聴いていた。 その番組ではメールでリクエストを募集しており、 神田さんは番組にメールをした。 「浜田くん、覚えてますか。私はそのクラスで2~3人の内のひとりです。 よく一緒に聴いていたビーチボーイズをリクエストします」 しかし、このラジオ番組は浜田省吾のコンサートのプロモーションである。 放送するのは浜田省吾の曲だけである。 当然、ビーチボーイズのリクエストが通るはずもなく、 そんなリクエストなんかまるで無視されて番組は進んでいく。 そして番組も終わりに近づいてきた。 DJが「それでは最後に浜田省吾さんからひとことお願いします」とシメの言葉を振った。 「はい、え~皆さん、一生懸命やりますので、ぜひコンサートに来てください。 それから・・・神田くん!メール見たよ! 以上、浜田省吾でした!」 と放送の最後に言ったそうである。 ***** 浜田省吾ほどではないが、 ボクも普段からテレビに出ている有名な友人がいる。 だからといって、ボクが有名なわけではないし、 そもそもボクは有名人と友人なのではなく、 たまたま幼馴染が有名人になっただけである。 ***** 有名人と知り合いだということを誇示する、 ボクはそこに「ライ麦畑」的な嫌悪感を感じるのだ。 神田さんが、あえて自分は浜田省吾の楽屋などに行かなかったのは、 本当に親しい友人だったからであろう。 友人が有名なのはわかった。おまえは一体なんなのだ? 家がお金持ちなのはわかった。おまえは一体なんなのだ? 父ちゃんが偉いのはわかった。おまえは一体なんなのだ? 誰それと友人だ、知り合いだ、と自慢するのではなく、 自分と友人だ、知り合いだ、と自慢されるようになれよ。 でもボクは、そんなことを自慢するような奴とは友人にはなれないかな。]]>

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5 thoughts on “自己愛性人格障害(184) 有名人と知り合い

  1. 貴和子 より:

    更新お待ちしていました^^
    確かにそうですね、似たような心当たりがあります。
    県会議員のだれだれと知り合いだとか
    教育委員会のだれだれと~
    ●●学校の校長と~
    そんな自分って凄い偉い!
    みたいな空気感かもし出してます。
    職場では、本社の○ちゃん(名前)と仲良し!
    とか本社でもエリートコースの人と親友のように言っていますが、本人を前にしたら「○○さん(苗字)」呼びだし、普通に丁寧語です。
    仲良しだったらいつも通り名前で呼べば? とか言いたくなります^^;
    本当に、お前は一体なんなのだ? ですね。
    出来る限り関わりたくはないですが・・・
    中1の息子の成績見た感じでは、高校も彼女の息子さんと同じ所になりそうでハラハラしています。
    年が近いから張り合ってきて面倒くさいので^^;
    息子にどうしたら危機感を持たせることができるか思案中です。

  2. せんち より:

    そんな更新をお待ちしてましただなんて・・・あはは。
    ありがとうございます。

  3. 明日夢 より:

    浜田省吾、懐かしい~。
    Twitterとの連携は、いいですね。
    呟き、楽しみしております。

  4. 只野 より:

    なんか、こう、「友」って感じが、すごく、いい
    泣ける・・・・最近、ちょっとした事で、
    こう、ええ話や・・・って事に、
    感動してしまいます。
    その時の友人って、一瞬で、当時の関係にワープしちゃえるというか、
    いや〜、いいな〜
    イカした話です。ほんと。

  5. 蘭丸 より:

    こんにちわ。お久しぶりです。
    自己愛の症状に有名人と云々ありますね。
    私は某お笑い芸人が売れる前に一緒に仕事をしていた事があります。
    ある荷主さんのところにいつも行っている先輩がケガをして私が代理で行っていた時にどうやら彼らは「居たらしい」です。
    毎日その荷主に行っていた先輩から15年ほど前に「あいつら売れたよ。憶えてる?」って言われて初めて気付きました。
    「そーいやー、あるトラックが戻ってくると周囲を明るくする騒がしい二人が乗ってたわ~」って思い出しました。
    そんな彼らを今日(6月30日)のテレビで久しぶりに見て「そういや~、一応一番身近な有名人かな~」って思い出しました。
    勿論彼らは私を覚えていないでしょう。でも当時、彼らは「あの交代のヤツは冷やかしても真面目すぎてつまらないな~」って私の事を言っいたと、その先輩が笑いながら言っていた記憶があります。
    たった2週間だけの交代と手伝いだったんですけどね。
    でも自己愛にかかると、毎日一緒につきっきりで仕事をしてて一緒に酒を酌み交わし、お笑いのアドバイスも私ちゃんがやったんだよ。今でも仲の良い親友なの!になってしまうのでしょう(笑)
    因みにその先輩とはまだ交流はあるそうな。
    彼らの結婚式にも呼ばれたくらいですしね。

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