自己愛性人格障害(155) 毒親 その4

今、ワシの大切な友達が人格障害者の両親の事で困っている。リアルに友人でもあるし、今後も継続して力になってあげたいと思っているので、どんな言葉をかけるか迷っている。簡単に関係が切れる職場や友人と異なり、家族となるとなかなかそうはいかないのは再三書いてきた。夫婦だったら離婚すればよいが、両親兄弟だとそうもいかない。まずは最近のこのニュースから。

殺人容疑「30年間の恨みがあった」父殺害の長男逮捕 奈良
12月9日午後1時5分ごろ、奈良市右京 5、無職、平岡温(ゆたか)さん(82)方から、「父を殺した」と110番通報があった。県警は自ら通報したとみられる長男で無職の愛司(あいし)容疑者(50)を、殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑切り替えて動機などを調べている。逮捕容疑は同日午前11時から午後1時20分ごろ、和室で平岡さんの頭や顔、胸などを室内にあった花瓶や文鎮、素手で繰り返し殴って殺害しようとしたとしている。愛司容疑者は「30年間の恨みがあった」と容疑を認めているという。

以前のワシだったら、よくある尊属殺人の一つとして流してしまうニュースだった。しかし、今、このニュースを見て、心に留まるものがあった。もちろん殺人は犯罪であるので罰を受けるべきである。しかし長男が一方的に悪いとも思えないのである。何と言っても「30年間の恨み」である。これが人格障害者が家族にいる場合の悲劇であると思う。夫婦なら離婚、職場なら退職、友人なら絶縁と、離れる術はある。しかし肉親となるとそうはいかない。この長男は恨みを抱えたまま30年間を過ごさねばならなかったのである。まさに肉親だからこそ起こり得る長い期間である。

この長男の人生は何だったのだろうかと思う。きっとこの家に生まれたこと、この父親の下に生まれた自分の運命を呪った事だろう。50歳になる今日まで父親の事が頭から離れなかっただろう。何があったのか、どんな父親だったのか、ワシには知る由もない。もし裁判記録などが出たら熟読したいと思う。

アガサクリスティーに「ポアロのクリスマス」という本がある。クリスマスは、普段は不仲な家族が、年に一度だけ親密を装って偽善的に集う日であるとしている。だからこそ事件が起きると。というわけで、明日はクリスマスイブ。皆さんは良いクリスマスを!

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12 thoughts on “自己愛性人格障害(155) 毒親 その4

  1. 明日夢 より:

    こんばんは。
    せんちさんの大切なご友人が人格障害者の両親から、
    どんな被害を受けているのかわかりませんが、
    同じ毒親育ちの私としては、この手の話は胸が痛くなります。
    なんて言葉をかけていいか本当に悩みますね。
    私だったら、なんて言うかな。
    気持ちが少しわかる分、そう安易に言葉を選べませんね。
    うーん、、、、なかなか、患部に直接効く薬がないものですね。(変な例えですいません。)
    それから、父親殺害の長男逮捕のニュースは、私もテレビで見た時、気になりました。
    30年間の恨みとの事。
    私もそうです。親への怒り、恨みの気持ちは30年と少し経ちます。
    だから、長男の気持ち、少しわかりますね。
    >>50歳になる今日まで父親のことが頭から離れなかっただろう 。
    同感です。
    私も親とはある程度の距離をとってますが、
    今もふと突然、母親にまたなにかされるのではないかとか、不安になってしまう時があります。
    (いまだに、たまに攻撃されますしね、、)
    強迫観念っていうものですかね。
    あと、何十年と言葉の暴力を受けてきた後遺症でしょうか、時々、母親に言われた言葉が、その時と同じ声のトーンや口調で、再生され頭から離れず、1日中グルグルと、、、って、ときもあります。
    (そういう時は、負けずに好きな音楽を聞いて紛らわしてます。)
    その上、加害者は罪を認めないので、謝罪もなくいつもこちらが泣き寝入りするしかないですし。
    詳細は不明ですが、彼も苦しんだでしょうね。
    親は選べないです。自分が生まれてきた事は、自分には責任がない事です。
    自分に責任、負い目のないことを受け入れることはとても辛い事だと思います。
    話は少し変わりますが、最近たまたま見つけた言葉を勝手ながら、書きます。訳がわからない方はスルーして下さい。せんちさん、勝手な事してすいません。
    芦田宏直著「努力する人間になってはいけない」より
    この問い(なぜ私は「この」親の元に生まれてきたのか )は、自己意識(=私は私である)にとって最大の屈辱です。
    生の受動性が受け入れられない人は自分を殺すか、他者を殺す事(その究極は親殺し)によってしか自己確証できません。
    私は自分を殺すでしょうね。今は、子供がいるので出来ないですが。
    勢いで、ワァーっと書いてしまいました。
    意味不明な文となりスイマセン。

  2. 自己愛夫 より:

    せんちさん
    私は自分の母の事をずっといい人と思ってきました。父は短気な人だったので、やりにくさもありましたが、今思うと 母の方がやりにくい人でした。
    今は夫とのことよりも、母の事がやはり重いし、距離をあけようとしても失敗しています。実の親のことも信じられなくなって、とても残念な気持ちです。祖母や父の御蔭で、割と幸せに暮らせてきたのでしょう。幼い時も大変かもしれませんが、大人になって40代になってこんな体験をするなんて、しかも夫だけでなく母までなので、人が信じられなくなってきています。人って、こんなものかもしれませんが、やはり夫や母から支配されてきたのだなあとつくづく感じます。

  3. 17歳 より:

    こんにちは。
    十七歳になりました十六歳です
    せんちさんには前、自分は自己愛性人格障害ではない、と言われ、とても安心しました。
    が、それでも自分が自己愛ではないのかと思えるのです。
    理由は二つあります。
    ひとつは僕が結構重度の強迫性障害者で、ちゃんと薬を飲んでいても極度の不安に襲われることがあるからです。自分は自己愛じゃないか、と(これだけではないですが)。
    もう一つは、自己愛について書かれた漫画(http://yusb.net/man/765.html)をよんでいたところ、自己愛の特徴の一つに「ギャップを埋めようと努力せず怒りや攻撃だけで終えてしまう」というのがありました。
    それを見て僕は、「自分は自己愛じゃないか」と思うわりには努力
    していない自分がいる事に気づいたんです。
    自己愛を反面教師にしていろいろできることはあったと思います。だけど自分にはその発想はなかったんです。
    なんどもすいません、僕は自己愛人格障害なんでしょうか。

  4. 蘭丸 より:

    17歳 さん
    はっきりとは判りませんが、自己愛は自分を自己愛だとは思わない。そう思います。リンク先の漫画を見たら私も自分がそうではないかと疑ってしまいます。
    たとえもしあなたが自己愛だったとしても、まだ17歳。頭が柔らかいので治る可能性があるとおもいます。
    ご自身が強迫性障害との事ですが、あなたの周りで人格障害傾向の人間がいたりそいう環境であったりしませんか?

  5. より:

    明けましておめでとうございます!
    毒親と言えば…最近話題になってる大沢樹生と元妻の喜多嶋舞の件でしょうか。あれも何か凄い嫌な気分になりますよね…
    あの反論のFAXにも、自己愛の臭いがプンプンしますね…何でオメーがキレてんの?みたいな(笑)
    一応、自分のブログでその件を「NPD」と言うタイトルで書いてみましたので、是非読んでみて下さい!

  6. 17歳 より:

    返信ありがとうございます。
    ≫あなたの周りで人格障害傾向の人間がいたりそいう環境であったりしませんか?
    いいえ、まったく普通の環境です。
    だからこそ余計自分が自己愛ではないかと思えてきます。
    それと僕はカウンセリングを受けていて、カウンセラーさんが共感してくれるのはいいのですが、上の漫画を読んでから「本当は自己愛だから共感しているんじゃないか」と疑ってしまって…。
    どうしようもない奴ですいません。

  7. 明日夢 より:

    17才さんへ
    私も蘭丸さんと同じ意見です。
    >>>どうしようもない奴ですいません。
    自己愛は、こんな事言わない気がします。
    もし自己愛なら、自分ではなく、周りがどうしようもない奴ばかりで、困ってる、、、と言いそうだし、そう思ってるのが、自己愛かと。
    >>>「ギャップを埋めようと努力せず怒りや攻撃で終わらせてしまう」
    それを見て僕は自己愛じゃないかと思うわりには、努力していない自分に気づいた、、、
    自己愛なら、気付かないし、努力しようとも思わない。
    自分は特別ですごい人間だと強く思っている生き物ですからね。
    17歳さんのような発想が、そもそも浮かばないのよ。
    そして、私もリンク先のマンガを読みました。
    私も、いい歳して努力せず怒りや攻撃で終わらせてしまう事、あります。
    このマンガにしても、他の参考書やサイトしても、
    具体例や挙げられている特徴の中には、多少は自分に当てはまる所があると思います。
    逆に、それに気付いて色々と考える方が普通なのかな、、、と私は感じます。(だからといって私が普通でまともな人間だと言いたいんじゃありません)
    まとめると
    17歳さんへの私の印象としては、
    自己愛ではなさそうな気がします。
    コメントを拝見しただけで、決めつけてしまうのはあれなんですが、強迫性障害の影響で、必要以上に強くそう思ってしまうのでは、、、と感じました。
    専門家でもないのに、勝手に意見を云って、偉そうに感じたり、不快に思ったら、ごめんなさい。
    それと、マンガ教えてくれてありがとうございます。
    改めて気付かされる所があって、勉強になりました。

  8. kozu より:

    こんばんわ。お久しぶりです。
    せんちさん、皆様お元気にされていましたか?
    私ですが…相変わらず自己愛の攻撃がひどくなり、昨年9月にパニック障害になってしまい休職してました。昨年末に悔しいですが退職しました。自己愛は「やっぱり俺が正しかった!あいつは自分が悪いから自らやめたんだ!だってそうだろ?正しければ辞める必要もないしな!」腹立つし悔しいですが、これで自己愛の顔を見なくてすむならいいやってかんじです。休職に入る間際は本当に最悪で…、顔をみる・声を聞く・同じ空間にいるというだけで、嘔吐してしまい、動悸がひどくなり、倒れた事もありました。本とにツラかった。
    これで縁が切れた…と思いたいですが…そうでもなくて。
    実は主人も同じ職場にいまして、鬱病で休職してました。夫婦揃って情けない話ですが…。主人が今年から職場復帰しました。自己愛は復帰してきたのが不満のようで、さっそく攻撃してきたようです。まわりに人がいないとこで嫌みを行ってきたり、名前は出しませんが、明らかに主人の事をけなすような事を大声でいったりなどしているようです。
    主人は初日、久しぶりの自己愛の陰湿な攻撃に耐えられなくて、早退して帰ってきてしまいました。主人が上司に訴えたのですが「彼はそういう奴でしょ、聞き流すように。相手にするのが悪い。もっと頑張れよ」と言われたようです。
    結局何も変わっていない。私達夫婦が休職している間も二人退職しました。もちろん原因は自己愛です。
    どうして、ここまで最低な事ばかりできるんだろう…ある意味すごいし、何でもっと普通に生きられないの?自分自身も辛くならないのかな…本当に謎です。

  9. なみだ より:

    せんちさん。。。
    みなさん。。。
    あけまして おめでとう ございます。
    今年こそ、
    皆さんの心と体が自己愛から解放される事を願いながら。。。私も闘って行こうと思っています。
    セクハラTKコーチとのその後です。
    昨年12月18日(水)…2回目の調停は、不成立となりました。
    もちろん、想定していた通りです。
    初回の答弁書。
    2回目の調停前に提出してきた主張書。
    2回目の調停で本人の発言。
    それぞれの言い訳に、新しい嘘のSTORY(自己愛の保身)が追加されていく状態です。
    初めは、
    セクハラの追求など母親からされた事実ない。
    解散したのではなく、
    日々努力を怠り、周りのメンバーに悪影響を及ぼす選手なので、A君と息子辞めさせたまでのこと。。。
    次の主張書では、
    実は、母親に会いましたが、セクハラの追求ではなく、
    「娘を辞めさせたい。」という話と、その理由として
    「実は、他のメンバーの事など、どうでもいい。娘の事もどうでもいい。息子だけの指導を全力でお願いしたい。」と母親に言われた。
    となり。。。
    調停員を前にした発言では、
    実は、辞めさせたかったのは、A君ではなく息子の方なんだ。
    というような発言もあったとのこと。
    セクハラから、論点をずらすためにつく嘘は、もはや彼の頭中では真実に置き換わっている様です。
    これも、自己愛の特徴の一つでしたよね。
    弁護士さんは、「この手の人間は、これからも何を言ってくるか分かりませんが、言わせておけばいいです。
    実は、お父さんに脅されていたんです。だの、僕を利用しようとしていたんです。だの。。。何を言ってくるやら。
    しかし、驚くことはありませんよ。真実は、こちら側にあるのですから。」
    何かを確信したようです。
    私たちは、昨年12月27日(金)裁判所に『提訴』しました。

  10. 17歳 より:

    前にちゃんと薬は飲んでいるとか書いていたくせに、一つ飲み忘れていたのがあり、それで確認行動をとるまでになってしまいました。今は薬を飲んでいるのでだいぶ落ち着いています
    明日夢さんへ
    ≫具体例や挙げられている特徴の中には、多少は自分に当てはまる所があると思います。
    この一言でかなり楽になりました。ありがとうございます。
    とりあえず僕自身、理想と現実にちょっとギャップを感じてはいるので、努力を忘れずに頑張ろうとおもいます。ありがとうございました!

  11. 蘭丸 より:

    >17歳 さん
    解決したようで良かった。
    実は私自身確認行動はありましたよ。23歳くらいから、一番ひどい時は26歳くらい。確認行動が収束に向かい始めたのは32歳くらいかな。41歳のいまもたまに玄関ドアガチャガチャ、「あれ?ガス元栓閉めたかな?」ってやります。
    この強迫神経症はかなりキツいので、気をつけて生きてください。
    薬の飲み忘れは・・・もう飲んだんだか飲み忘れなんだか判らなくなるようになりました。
    これはこれで何故か気が楽になったもんです。気にしなくなった(おおらかになった)のかなー。って。

  12. せんち より:

    *** 明日夢さん
    両親との関係もいろいろですね。
    両親だから、肉親だから緊密かというと、
    だからこそ憎悪になったりする。
    テレビで若ノ花と憲子の親子はよく一緒に出演していますが、
    貴ノ花は一切の接触がないように見えます。
    かつては理想の家族と言われたのにですよ。
    メジャーリーグにプリンスフィルダーという選手がいます。
    父親は阪神にも在籍したセシルフィルダーです。
    父親のセシルはどうしようもない親らしく、
    プリンスは父親と話す気はない、
    20年くらい経ったら話すかどうか考える、
    そんなことを言っていたと記憶しています。
    *** 自己愛夫さん
    後から振り返って初めて冷静に考える事が出来るということですね。
    詐欺にあった人など、まるでその時は催眠にかかったように、
    第三者的には信じられないような嘘にまんまと引っ掛かっています。
    こんなことを他の人に推奨するわけではありませんが、
    親といえども、縁を切ってもよいのではと思っています。
    先日亡くなったやしきたかじんも、
    若い頃親に勘当されてそれっきりだったみたいですし。。。
    *** 17歳さん
    17歳かぁ。
    もう一度17歳に戻れるなら、全てをなげうってもいいな。
    羨ましい。羨ましい。
    このマンガ、確か以前に読んだ記憶があります。
    単行本にもなってたように思います。
    きっと、自分が自己愛じゃないかと不安に思う、
    それも強迫性による不安なのでしょうか。
    明日夢さんと一緒な意見です。
    本当に大丈夫ですよ。
    自己愛は誰しもが持っているもの、ボクも。17歳さんも。
    参考文献やサイトを見ても、
    自分に当てはまることなど数多くあります。
    強迫性で薬も処方してもらっているということですが、
    他人の目や評価が気になり不安になるのは、
    ボクも経験があります。
    本当に中学生、高校生の頃は、
    自意識で潰れそうでした。
    今思えば、嫌な奴だったなー。
    思い返すと恥ずかしいことばかりやってました。
    今もその残渣を感じる時がありますが、
    それを上回る理性を組んでいくことで回避出来ている気がします。
    自己愛は誰しもがあること。
    それが異常なまでに肥大化したのが自己愛性人格障害であること。
    そして普通の人は自己愛を上回る理性を持っていること。
    もし17歳さんが自己愛が強過ぎると自覚されるならば、
    それを凌駕する理性をこれから構築していけばよいのではと思います。
    本当にそう思います。
    17歳さんは、日記をつけたらどうでしょうか。
    今の自我を自分の言葉で記しておけば、
    将来、何かの役にたつような気がします。

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