自己愛性人格障害(130) ブラック企業 番外編
ワシが20代後半に2年くらい勤めた会社がある。東証に上場している企業で、テレビCMも頻繁に行なっており、ワシの嫁さんも、そのCMソングを口ずさめるくらい、名前を聞けば誰でもわかる有名な会社である。ワシはそこで社長直属の部署で働いていた。今となっては、 上場企業の社長と間近に接することが出来たこと、非常に良い経験だったと思っている。しかしまた、問題も多い会社で、例に漏れず離職率は高く、ワシみたいな若い連中が、 ほとんど入れ替わりで、平均勤続年数は約5年である。これは四季報にも掲載されている公式の数字である。数多くの訴訟を抱えており、ワシは社長の指示で、顧問弁護士と共に何度も裁判所に行った。
そんな会社で、ワシ自身も、ちょっとこの会社では続けられないなという事が重なり、約2年の勤続の後、退職することにした。最後の出社の日、部署のみんなで送別会を開いてくれることになった。みなワシの退職の理由はわかっていた。上場企業とはいえ、創業社長のワンマンが色濃く残っている社風である。社長は、会社発展のためなら、人材は使い捨てでもいい、会社の成功が、最終的には社員のためであると考えている。しかし、社長の直属のワシですら退職するに至るとは、社内でちょっとした話題になっていたそうである。
ワシをとても可愛がってくれてた女性係長が「こんなことばかりしてると、痛いしっぺ返しがある気がする」と会社の将来を憂いた。みなワシの退職の理由が、ワシとは別にあるということがわかっていたのである。送別会の帰り道、その係長と二人きりになる瞬間があった。係長はポケットに手を入れたまま、立ち止まってワシを振り返った。その時の、係長の言葉をワシは一生忘れることが出来ないだろう。
「せんちよぉ。もう若くないとよ」
普段は使わない九州の方言でワシにそう言ったのである。標準語でなく、あえて方言を使うということは、会社の上司としてではなく、個人的な関係でワシに言ったということだろう。当時ワシは20代後半。まだまだ未来を信じていた。 何でもできると思っていた。でも、ふと、もうすぐ30歳になるんだなぁと感じた。
【1996年6月24日の日記より】
年老いて、これを読む僕へ。
僕は今24歳だ。うらやましいだろう。若いだろう。
だけど、これからボクがどういう人生を歩むかわからない。
もし、さしつかえなかったら、そっと教えてくれないかな。
楽しみは残して、これから起こりうる失敗や苦難から、
僕を救ってくれないかな。
頼むよ。
ブラック企業のお話、興味深く読ませていただきました・・・
(特に最後は、しみじみとしました)
僕は社会に出て8年目、中小ばかり3つの職場を経験しましたが、ブラックじゃない企業なんてあるのかと思います。
労働とは人間性の破壊としか思えませんし、働かなくてすむのなら働かない方が幸せなんじゃないかと今では思います。そんな企業に勤めた自分がバカでしたが。
せんちさんのように良心的な経営者の方が増えたら良いなと思いますが・・・
その良心を嘲笑うかのような人格障害者ウッキーの存在があるんですね。
権利意識が異常に肥大した悪質な労働者を見ていると、企業が労組潰しとかするのもよく分かりますし、労働者である自分まで「労組など潰してしまえ」と思ってしまいます。
難しいですね・・・
*** とむさん
社会に出て8年目なんて、まだまだこれからですよ。
ブラックじゃない企業もいっぱいあります。
ただし、楽して儲かる企業はありません。
一生懸命頑張った対価として、やりがいと給与は得られます。
働かず楽して儲けていた人格障害者ウッキーは特例でしょう。
欧米人は、労働は罰だという考えですが、
日本人は、勤労は美徳と考えています。
会社に利益がないと、労働組合員にも給与が行き渡らない、
それがどうして労組の連中にはわからないのか不思議です。
給料もっとくれないと仕事しないぞという恫喝するくらいなら、
もっと給料いい他者に移ればいいのにと思います。
そういうところがあれば、ですが。
せんちさん
ありがとうございます。
なんか自分の行く先々にはまともな人間はいないんじゃないかとか、そんな人間がいるのは当たり前で実は自分に適応能力が無いだけではないかとか、いろいろ考えます。
現在、リハビリも兼ねて2時間程度のパートで働いているんですが、こんど飲み会があります。辞める人のお疲れ会なんですが、その人に業務内容を教えてもらったこともあり、断るわけにもいかず・・・ 非常に憂鬱です・・・
ボクも、サラリーマン時代は、
会社の飲み会とかそういうの嫌だったなぁ(笑)
元々多趣味なもので、自分の時間が大切で、
そういう付き合いが嫌で仕方なかったです。
でも、それもひっくるめて給料のウチなんだなと納得してました。
ましてや、とむさんの場合は、お世話になった人じゃないですか。
心から送別してあげてください。
ボクも、まわりに必ず変な奴がいて、
そういうのを呼び込む何かがあるのかと考えたことがあります。
せんちさんの24歳の日記。読んでいて涙が止まりません。
初めまして。せんちさんと同い年、昭和47年生まれです。
移住した先々で自己愛に遭遇し、
だいぶ参っていたところにこのブログに出会いました。
コメントまですべて読んでいます。
まだまだ読んでいる途中ですが、一言お礼が言いたくて。
ありがとう。
このブログに参加されているみなさんのコメント一つ一つが、どれだけ私を勇気づけてくれたことでしょう。
自己愛からの攻撃を受け、我慢を重ねた結果、
夜中に目が覚め激しい動悸が始まり、そのまま朝まで眠れないことが続いた半年間でした。
新参者を受け入れることが気に入らず、あれこれ画策して回る自己愛なんぞ、相手している時間がもったいない。
さて。続きを読み始めます笑